黒ネコさんは悪い人じゃない④【しゅごキャラ】 (ページ24)

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先生がそこまで言ったところで背後でコンコンとノック。ガラリとドアが開いた。そこにいたのは今しがた名前が出たA。

数冊のバインダーと書類の束を抱えている。バッチリ目が合って思う。あれ？時間的にはまだお茶会のはずだよね？もう活動始めているの？

「あんたたち、と。空海も試合が近いからってさ。半分の人数しかいないのにゆっくりお茶してる時間ないっつの」

「え？」

「顔に書いてるよ。ちなみに私のこの後は、ジョーカーの代わりにパトロール。次に先日のアンケートの集計。そして各部から提出された必要備品の確認。何か言いたいことある？」

「「ごめんなさい」」

眉間に皺が寄っている。深い溜息までつかれた。Aは二階堂先生に「これ、三星(さんほし)の十和田先生が戻ってきたら伝えてください」と言って、手の中のものを十和田先生のデスクにどすんと置く。

Aがまた学校に来れるようになったのは嬉しいけれど、なんだかパワーアップしてる気もするんだよね……。いや、頼りになるに越したことはないけどね。でも、たまーに当たりが強いというか。

「霧羽さん。日奈森さんが、僕がどうしてここにいるか知りたいんだって」

「あ、その話ですか。他の三人にはもう伝えたんだけど……まぁざっくり言うと、二階堂先生は根は良い人だと思ったから」

…………え。それだけ？

良いってどこをどう見たらそう思うの。これまでのこと覚えていないのか。Aだって、今は仲良しの舞香ちゃんのこと、怒っているんじゃないの！？

「やだなぁ、まだあるよ。彼は観察眼に優れている。私たちみたいにしゅごキャラが見える。バツたまになりそうなこころのたまごにいち早く気づく。これ以上ないくらい心強い味方になると思うんだ」

「味方……」

「あたしも、なでしこと同じく不安だよ。本当に信用できるの？少し前まで敵だったんだよ？」

ふむ……と、彼女は口に手を当てて考える仕草。そして先生の方へ視線を変える。ちろりと先生も控えめな苦笑いを浮かべたらAを横目に見た。

あたしたちがこう思うのも当然でしょ？

たしかに、味方に引き込めたらバツたまを早くに発見出来るかもしれない。バツキャラが孵化する前に浄化できるかもしれない。けれど……、こいつが裏切らないって保証はどこにもない。

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