黒ネコさんは悪い人じゃない④【しゅごキャラ】 (ページ2)

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152# トリガー・第二部↓ ページ2

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耳をつんざくようにクラクションが伸びる。視界を光が覆って目が潰れそうになって、私はとっさに強く瞑った。

現実とリンクして、あまりの衝撃に飛び起きた。目の前に広がるのはいつもの私の部屋だ。外じゃない家の中。胸に手を当てるとドクドクと心音が速い。気を落ちつかせようと深く息を吸って吐いた。

「どうしたデス？」

「……ん、いや。ちょっと怖い夢見て」

「それって、どんな？」

二人に見つめられて、その夢について話した。心配そうに眉を下げるこはくと、スンと澄ましたままのロスト。話を聞いている彼らは、あることを口にするとどちらも生気が通ったように表情が変わった。

彼女はいつもならそこから会話を広げてくれるのに今日は珍しく静かだ。なにか言おうとしてるけど歯切れも悪い。

対して彼は曲のネタになったとしか思ってないんだろうか。聞き終わると興味は失せたように、部屋から出ていった。その後をこはくも追いかける。部屋には私一人が残る。

「…？」

まあ気持ちの良い話でもないか。おまけに今日は朝から雨模様。どんよりする雲が窓から見えた。大粒まででは無いけど強い雨だ。

二人も気分が優れないのかもしれない。私も、そう思いたい。だって、

「あの音、ライト、迫る"トラック"…」

私は、あれを見たことがあると思う。どうも初めてだ・ただの夢だと片付けるには違和感がある。

なんなんだ、これは……。

◆

同時刻。

ワタシは無反応のロストの後を着いてAの部屋を出て。そのまま下に降りて、キッチンで朝食の準備をしている楽を呼んだデス。

楽は包丁を握って野菜を切ってやがったデスから、声だけを返してきたデス。ワタシはおはようと応えず、単刀直入に言いたいことを放った。

「Aがあの日のことを夢で見たらしいデス」

小気味よい切る音が止まる。口を開かず目も合わせない。楽はまな板に包丁を転ばせて鍋の火を止めたデス。

それでも、何も言わない。だからワタシは続けたデス。

「トラックに撥ねられる前には目が覚めたようデスけど、これって予兆ってやつデスか？」

「…………どうして……」

「それは雨だから、じゃねーデスか。あの日も」

救急車で病院に運ばれた頃には雨が降っていた。まるで、今朝のような雨が。

「全部思い出すかもな」

「ロストっ……」

いつのまに背後に…？面白そうだと笑うソイツを、ワタシは心底嫌いだと感じたデス。

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