黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ6)

今日:16 hit、昨日:43 hit、合計:94,229 hit

056 ページ6

◇

「ばっかもーーーん！！！」

午後七時頃、私たちは相馬のおじい様に叱られていた。しかも結構な怒号で。

というのも、問題は帰宅時間にある。門限は五時だったにも関わらず、気づいたときには六時半になろうとしていたのだ。

この辺の地域のこの時期は、日の入りが六時四十五分前後らしい。いつまでも周りが明るいので、大幅に過ぎていることに気づかなかった。

また、海からお寺までの道のりは街灯も人通りも少ない。浜辺に寝ころんで見上げる夜空は周りに光が無い分、星がよく見える。だが、そうであるから心配されている。

「空海！お前がついていながらなんじゃ！」

「じ…爺ちゃん、これはその…。」

「すみません…、ぼくのせいなんです…。」

「活(かつ)をいれてやるわ！」

先頭で怒られる相馬だが、実際帰れなかったのは時間を確認していなかったからだ。それは個々人が。

後ろの方で、赤面＋俯く辺里。長いキャラチェンジが明けたため、いつもより羞恥を感じているようだ。

連帯責任というように、薄くて固い床で正座を強制される。座布団などワンクッションあれば大分マシだが、これは割と……。

「あ…足がしびれたぁぁぁ。」

「みんな、だらしないわねぇ。」

「座禅付きのリゾートなんて中々ねーぞ？」

「…いてて。」

辺里となでしこの家は和式だし、正座は慣れているんだろうなあ。私は洋式だけど人並み程度かまだ耐えれる方。

二年くらい前に一部リフォームする以前は、畳の部屋があった。…今は必要なくなったから無いけど。

「喝！」

「ギャ、」

あむの悲鳴と、おじい様が肩や背中に振り下ろす警策(きょうさく)(つまり棒)の音が響いた。悪いけど、気持ちがいいくらいの音だ。

とんでもないバカンスが始まったなあ……。

．