黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ50)

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私が告白した日から半月あまりが経った。今日は、ややがプリマとして舞うバレエ発表会当日だ。ガーディアンの皆でステージを見に行った。

所々ハラハラさせられた部分もあったが無事踊りきる。練習では険しい顔をしていたけど、本番では最後まで笑顔で。末っ子キャラもやる時はやる、というのを目の当たりにした。

代役の話が出たときは色々言っていたが、好きこそ物の上手なれというモノなのか。ややの頑張りはちゃんと形となって沢山の人に届いた。あのロストの口許が緩やかに弧を描いているんだから自信もっていいと思う。

「……なに。」

「なんでも。」

ちょっと見てただけなのに。不快そうにそっぽを向かれた。気配に敏感な性質は魅了される対象が目の前にあっても健在らしい。

こんなときくらい警戒心を解けばいいのに。張り詰めてばかりじゃ疲れるでしょ。小さなバレリーナたちが袖に引っ込むと、観覧席の照明が点いた。この後はロビーで会うことになっている……というか、呼ばれているに近いかな。

元々見に行く予定ではあったけど、数日前にややが「(バレエ教室の)皆にAは発表会見に来るのーって、めちゃくちゃ聞かれるー。」と言っていたし。

「いつから女たらしになったのかしら。」

「口説いてないからね？」

普段の行いが故意ではない、と聞かれたら肯定は出来ないけど。女子にモテるよう狙って振舞っているわけでも断じてない。

むしろ、何でこんな状態になるのか聞きたい。辺里の前で赤面するのは分かるが何で私？

案の定、ロビーでややに声をかければ、それに気づいた子達が私を取り囲んだ。発表の感想を述べれば、嬉しそうに微笑む。少しして衣装から着替える時間になり、やや達は行ってしまい姫川さんに呼ばれる。

不思議な縁であったが、彼女とプライベートでも親交が出来たのはまた別の話。

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