黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ41)

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『明日の昼休みにロイヤルガーデンで話すよ。』

Aにそう言われた翌日、あたしはなでしこと一緒にガーディアンの活動拠点であるその場所へ向かった。

出入口への一本道に差し掛かったとき、前方に二人並んだ後ろ姿を見つける。一方は男子で、もう一方は女子だ。なでしこが二人の名前を呼べば、こちらを振り返った。唯世くんはいつも通りの笑顔なのに、Aは違う。なんといえばいいか、感情が読み取れないくらい冷めた目をしていた。

「……先に行ってる。」

「分かった。相馬くんが鍵を開けてるって。」

「………。」ﾌｨｯ

普段のAとも、プラネタリウム前で見たAでもない。あんなに無愛想なの初めてだ。遠ざかる背中にまた心配してしまう。それは、あたしとややに隠してることがあるからなのか。

あむちゃん、となでしこに呼ばれる。唯世くんも似たような目をしていた。

「アレが、本当のAちゃんなの。」

「そのことも皆揃ったら話すと思うけどね。日奈森さんが知っているのは、万人受けする“霧羽A”だったんだよ。でも本当は………。」

言葉を詰まらせる唯世くん。なでしこもそれきり言うことはなく、行こうと言う代わりにまた歩き出す。あたしもランたちも分からないことが多すぎて、とりあえず今は唯世くんとなでしこの後を着いていくしか出来なかった。

ロイヤルガーデンに入ると、Aの他には空海とややがいた。あたしたちが最後だったようだ。それぞれ、席につく。ふうー…、と長いため息の後、Aは話し出した。

昼休みが終わるまであと30分。

「今から話すのは、あむとややにだけ言ってなかったこと。本当は花火をした夜に言おうと思ってた。けどママのことを思い出して、それにあむが気づいたら後には退けなくなった。」

「私、本当は11歳じゃないんだ。この前の誕生日で13歳になったの。相馬より更に上で、本当なら今頃中学生だったんだ。」

何からツッコめばいいのか分からず、あたしから零れたのは「え…？」だけだった。ややも、あたしより音量は大きいけど同じような反応をしている。

話が続くと思ったら、次に口を開いたのは彼女の右隣に座る空海だった。

「オレは、“Aさん”の兄さん＿＿＿先輩とはガーディアンに入る前からサッカー繋がりで親交があるんだ。あ、先輩もそのときはキャラ持ちでさ。」

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