黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ32)

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082# 姫川舞香ページ32

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ガーディアンの活動がお休みの、とある日の放課後。あむとややの三人で駅前にいるワゴンカーのアイスショップに寄って行こうということで、帰りのHRが終わって昇降口に集合した。あむがなでしこも誘ったらしいけど、予定があるからと断られたそうだ。

多分、日舞の稽古だろう。最近はふとしたときに考え事してるように見えるし。なでしこが人前に構わず悩む姿を見せるのは、それ以外思い当たらない。友達なら相談してほしいけど、悪いが日舞は専門外だ。気分転換ぐらいにしかなってあげられないから大したことも言えない。本人が口を割るのを待っている。

学校を出て十数分、駅までの道からだんだん外れている。あむもそれには気づいているようで、思い切ってややに声をかけた。すると、

「今日バレエの習い事の日だから、それ終わってから行くの。」

「うん、先に言って？」

…というわけで、私とあむは見学ということでややに着いていくことにした。教室の看板を掲げるビルは思っていた数倍大きくて、階数もあって。それだけ人が多く入っていることが窺(うかが)える。

あむと用意された椅子について、レオタードに着替えに行ったややを待ちながら、教室内を見渡す。スラッとした立ち姿、膝を曲げずに上がる足、180度の開脚をして床にベタッと前屈をする光景。彼女が「皆本当に骨入ってんの…？」と零す理由も分かる。

地味だけど、身体が柔らかい人ってすごいなあと思う。素直に羨ましい。こういうのってやっぱり毎日の積み重ねなのかな？

「あむちーーーん！！ Aーーー！！見てる見てるーーー！？」

「見てる見てる………柔らか！」

身体が固いと中途半端な開脚でも膝上の腿が無理に伸ばされているせいで痛みを感じる。一刻も早く閉じたいと思ってしまう。なのにややは180度開脚を苦ともせず、めちゃくちゃ笑いながら手を振っている。

バレエを習っていることは以前から知っていたけど、その姿を見るのはあむと同じく初めてだ。末っ子キャラのややだけど、この柔軟には勝てる気がしない…。

ぐにゃりと私には出来ない体制で話すやや。その姿を、ミキがスケッチし始めた。ランとスゥもあむの肩から顔を出して、キョロキョロと見渡している。こはくもそれに倣うように目を輝かせ、ロストは刺激を吸収するためか今日は着いてきている。

「ちょっと！もっと端っこでやってくれない、花の妖精･その2？さん？」

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