黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ4)

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「オゾンホール上等！小学生魂ってモンをたたきこんでやる、うりゃ！くらえ、海水！！」

「きゃーーー、しょっぱ！」

「レッツ、夏本番！！」

海岸に打ち寄せては引いていく波。相馬は両手に力を込めながら、勢いのまま海水をこちらにかけてきた。バシャバシャと水音が響く。それは私の水着にもシミを作っていった。

私はセパレートタイプで、濃い菫色のワンショルダー。上の丈が長いためカットソー感覚で着られる。

また、右肩の袖も二の腕を隠すまでの長さだ。シンプルなデザインだが、背中に大きなリボンがアクセントでついていてさりげない可愛さがある。

泳ぐ前に浜辺で濡れてしまうなんてなんだか勿体無い。海と聞いていたため持参していた水鉄砲を手に、相馬へ反撃する。

ガーディアンにおいて、射撃の腕は知れ渡っているから彼はもう逃げられない。

こうして辺里とややも巻き込んで撃ち合っていたら、ふとややの手が止まった。

「あーっ、見て見て！あれあれ！」

言われた方を見ると、大きな砂のロケットが視界に入る。やば、映えそう。

水鉄砲を荷物の近くに置いて、私たちは近くに行ってみることにした。そこでは現在、サンドアートの大会が行われていた。

要するに砂の彫像。参加者はスコップを使いながら各々の作品を仕上げている。そのクオリティは、とても海岸の砂とは思えないほど。

「なになに…？サンドアート子ども部門の優勝賞品は……、特大花火セット…。」

「へえ…。」

「特大花火！？花火やりたーい、遊びたーいっ！花火、花火ーっ！」

さすが、やや。末っ子の反応としては満点だ。

参加人数も私たちは満たしていた。相馬も数々の作品にすっかり煽られたようで、流れで参加することになった。

「じゃあ私、受付行ってくるよ。みんなは何作りたいか案出してて。」

参加登録は、人数の報告と責任者の署名のみ。時間かかることなく五人のところへ帰ると、何故か辺里がキャラチェンジをしていた。

誰だ、「王子」って言った奴。

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