黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ24)

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「待ちきれなかったから。」

「えっ何が、」

「あと誕生日おめでとう。」

「ありがとう……って、ついでなの？？」

表情筋仕事しろと言いたくなるくらいイクトさんの頬は下がったままだ。なんでいつもの感じなの。こっちはサプライズすぎて未だについていけないんだけど。

玄関先に立ち話もあれなのでとりあえず家へ入る。うちはLDKで大きな一部屋になっていて二階に個人の部屋がある。荷物を置きに一旦楽くんと二人で私の部屋に寄る。「夕飯の準備出来てるから早く来いよ。」と言われて、彼はすぐ下へ降りていった。

バタンと部屋が密室になると、ロストはまた姿を現した。そして呑気に欠伸をしながら“日常”に戻る。気にするなと言われても無理な話で、こはくと横目に見ながら私たちも部屋を後にした。

「こはくからも何か言ってよ。どうせいつかは顔を合わせるじゃん。多分ヨル君も気配だけは気づいてるよ。イクトさんも、私のしゅごキャラがこはく以外にいること知ってるのに。」

「ワタシが何度言ってもアイツは聞く耳持たねーデス。」

「実際そうかもしれないけど、さ…。」

新ガーディアンの前と顔合わせ出来たからもしかしたらイクトさんたちにも……と思ってしまう。あいつは何を嫌って頑なに面会しないんだ。以前に「イースターの奴に隙を見せるな」とか言ってたけど、イクトさんの性格的に正直に話すなんて中々ないと思うんだが…。

それに、私のような一般人のしゅごキャラが増えたところで大した騒ぎになるかな…？？無いでしょ。確かにキャラなりが出来ることが知られたら、警戒心が強化されるかもしれない。そのことに関しては一理あるけど。

これから誕生日会だというのに、私は少しモヤモヤした。どんな顔をしていたか知らないけど、痺れを切らしたこはくに軽く叱責される。うん、ごめん。こはくの前で不躾だったよね。これ以上考えていたら勝手にキャラチェンジされてしまう。

二階の吹き抜けを見上げる楽くんに呼ばれる。今行きます、と言う代わりに小走りで階段を下りた。

「ロストは？」

「来るわけないじゃん。」

「やっぱり？後でなんか持っていくか。」

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