黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ21)

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071# 特別な日ページ21

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お泊まり会の全日程が終了して一夜が空ける。厳しくも数日に渡って私たちの保護者代わりとなってくれた相馬のおじい様にはしっかりお礼して、私たちは帰ってきた。

勿論この日の朝にはガーディアンの皆から「誕生日おめでとう」と言われたし、未読のメッセージも沢山届いていた。帰りの電車に揺られながら、それらにひとつひとつ目を通して返信する。途中、左隣に座っていたややが肩に寄りかかってきた。どうやら眠ってしまったらしい。

他のメンバーは何をしているかスマホから顔を上げる。相馬は寝ていて、あとの三人は会話していた。公共の乗り物ということもあり、あまり声は大きくない。

「…よし、これで一旦は終わり…っと。」

未読の表示が無くなったのを確認してスリープさせる。思ったより時間がかかってしまった。理由は言わずもがな家族。特に父からのメッセージだ。

うちの大黒柱は親馬鹿である。それは唯一の娘の私だけでは無く、兄たちも含めてだ。しかし、会えばベッタリしてくるような父は今、日本に居ない。単身赴任でヨーロッパに渡って働いているからだ。

生活費は定期的に振り込まれる。家族が心配なのか、割と短いスパンで。母が他界して間もなくこの生活をしている。どうにかこうにか兄妹三人で暮らしているが、備えに越したことはないと楽くんはアルバイトのシフトを増やして家事までしているというわけだ。

だが、長男だけに負担を課しているわけではない。母が病院に通う前から次男も出来ることは手伝うようになった。小さな頃から始めたサッカーをやめた最も大きな理由。

本心は続けたかったかはわからない。あいつ、そういう話はしないし。でも中高でたまに助っ人に呼ばれているみたいだし、上手くやっているだろうと私は信じている。

いざ思えば、私は家のために何か出来ることは無いのだろうか。以前にもその疑問は三人で夕食をしているときに口にしたことがある。その時の返事は、

「「お前はガーディアンの仕事があるだろーが。」」

「家のことは気にすんな。」

「暇なときに手伝ってくれたらそれでいいから。」

確かに私に時間が無いことも事実だった。主に、ガーディアン活動は不規則だから。何時に終わるかも日によって変わる。家の中で役割をもらっても全うできないのだ。これには元ガーディアンの兄たちも頷いた。経験者は語るってことか。

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