黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ3)

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それぞれ着替えて、もう一度海岸へ。しかし海に入る前に、私にはひとつやることがあった。

そのため、パラソルの下でシートを敷いて、日陰からこちらを眺めるなでしこに声をかける。やることと言うか、“お願い”だ。

「ロストのこと、頼める？数日離れるわけにも行かないし土地感も無いから、滞在中はあまりうろちょろしないように言ってる。遊んでいる間たまごを預かっててほしいんだ。」

「お易い御用よ。てまりにはわたしから言っておくわ。安心して遊んでいらっしゃい。」

たまごの隙間からなでしこを見る彼は、相変わらず興味がなさそう。できれば身内以外の人間にも慣れてほしいんだけど、それは余計なお世話というやつだ。

人との付き合い方はそれぞれだよね、うん。

「あむちゃんも、鍵ならわたしが預かっててあげるわ。」

ややと一緒に、もう泳ぎに行ったのかと思っていた。けど肌身離さず身につける鍵を首から下げたままでは、確かに行けない。多分錆びる。

あむがいつから背後にいたかは分からない。右手を伸ばすなでしこへ鍵を渡す。

あむの水着はセパレートタイプのタンキニだ。腰に咲くハイビスカスのワンポイントがポップで可愛い。

向こうで男子たちと話すややは、ワイヤー入りのビキニである。分かりやすくいえば上はスポーツブラのような形。胸元と腰に大きなリボンがあるほか、フリルが体型を隠すようにデザインされている。

ふと、あむが「なでしこが学校の水泳を常時見学」している疑問を口に出す。最初の✕たま狩りを思い出すなあ。本当に思ったことすぐに言うね、この子は。

一般生徒は「ガーディアンのQチェア」だから、気になっても本人にそのことを言わないのに。遠慮がない友達っぽい。なでしこが彼女の中で、信頼できる人物になりつつあることがうかがえる。

「うふふ…、肌焼きたくないの。」

「ばっかもーーーん！！！」

突然の大声に肩がビクッと跳ねる。声の主は相馬、今の会話を聞いていたようだ。

両手をグーに握りしめ、何やら熱く語り出す。

「夏休みと言ったらスイカにかき氷、ガリガリ棒…。クワガタ取りに花火………、そして海！！！」

「小学生の夏と言ったら太古の昔からそう決まってんだよ…、それなのになんだよ。メラニン生成なんか気にしちゃって、あああ…もう。」

悪いけど太古の昔に小学生はいないと思う…。

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