黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ13)

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「どうして肝試しといえば“こんにゃく”なんだろうね。」

今日の肝試しは、日奈森とA以外の三人には事前に知らせていた。最初に言い出したのはやや。それにオレが乗っかった。

日奈森が幽霊の類を苦手とすることは既にガーディアン周知の事実。あいつを驚かせることが第一の目的だ。あとは、藤咲がくじ引きと偽って唯世とペアにさせてその様子を観察したいらしい。何を考えているかは分からないけど、オレは最終的に日奈森がビビってくれたら良い。

その当人は藤咲とややが探しているらしい。甚平に着替えて合流したとき、驚かせるために使う道具の準備もあったからAだけこっちに呼んだ。

「分かんねえけど、ヌメっとしたのが背中に当たるとキモイよなー。」

「確かに。相馬は経験あるんだ？」

「……逆に無いのか？」

「んー、肝試し自体初めてなんだよね私。」

紐と繋いだこんにゃくを、長めの棒に取りつけながら返事をされた。それより言われた内容に驚く。深堀すれば、肝試しだけではなく遊園地のお化け屋敷にも入ったことがないらしい。そんな小学生いるのか…？

だが心霊番組や怖い話は平気と言う。むしろ好んで観るとか。苦手なわけではなく、ただただリアルに機会が無かったと続ける。

肝試しの話を伝えなかったのは、反対されると思ったから。じいちゃんに隠れて…なんて言えば、Aは意外に賛成しない。精神年齢が高いこともあり、賭けのような話のときは良心が働く。

でも最終的には呆れたように一息ついて、現在隣で道具を眺めるAは始まる前なのに楽しそうだ。これはこれで、いいサプライズになったのではないだろうか。

「今の笑い方、二織先輩に似てた。」

「全然嬉しくない。」

「じゃあ楽さん？」

「それなら…まだいいか。」

元サッカー部の先輩の名前を出せばげんなり顔をするが、楽さんは良いらしい。基準がわからん。傍から見れば仲が良さそうなのに。

まあでも、オレが実兄たちに憎まれ口を叩くのと同じようなものなんだろう。異性の兄妹っていう感覚だけは理解が出来ないから、予想だけど。

「相馬、なでしこたちが来たよ。」

「ん、あぁ。…よし、あとは日奈森たちを待つだけだな。」

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