黒ネコさんは悪い人じゃない②【しゅごキャラ】 (ページ12)

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「え、それ本当？」

『嘘言ってどうすんだよ。』

相馬がおじい様に秘密で肝試しをしようと言った。本当に大丈夫なのか疑念を抱くところはあるが、他がすっかり乗り気なのでやめようとは言えない。

近くで祭りがあるわけでもないのに浴衣を持って来させた理由はこれだったか…。

後は帯締めを…という段階でなでしこに頼む。すると、しばらく見ていなかった携帯に着信が。ややも気にせずに電話していいと言ってくれたので応答した。ちなみに相手はうちの次男。

『帰ってくる日も一応伝えたけど、その日は都合悪そうに見えたかなあ。』

「要するにはっきりしてないってことね。…でも、代わりに受け取ってくれても良かったのに。」

『あ、なんか話したいことがあるって言ってたぞ。どうせAに用あるなら…と思って。』

「話したいこと？……んーまぁ分かった、これから肝試しだから一旦切るね。楽くんには“妹は元気にやってます”って伝えといて。」

『へいへい、楽しんでこいよー。』

応答後「バイオリンの音源」というワードを聞いてすぐに、私に会いに来たのはイクトさんだと分かった。ガーディアンと一緒にいることもあり、私も彼の名前を呼ぶわけにはいかない。あむならまだしも、なでしことややの前では。

そのうちの一人によって綺麗に結われた帯。ややの方も準備万端のようだ。…って、あれ？そういえば、

「やや、あむは？さっきまでそこにいたよね？」

私の前に支度を終えたあむが、いつの間にか部屋にいない。廊下に出て右左と見渡してもその姿は無い。あれからそんなに時間も経ってないし、遠くには行っていないだろうけど…。

しかしここに留まっても何も解決しない。行き違いになっても困るというので、結局三人で探しに行くことになった。

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