12 ページ15
4月4日水曜日 20時30分
私はこの時、この瞬間に、大きな産声を上げて生まれた。2560gという少し小さく生まれてきた私は、とても甘えん坊だった。
ことあるごとに、オムツだの、抱っこだというように、毎日のように泣く。
そんな私を生み育ててくれたお母さんとお父さんは、私のことを愛してくれていた。お母さんはいつも、泣いている私をあやしてくれた。お父さんは、一緒に公園に遊びに行ってくれた。
私はこの時思った。『この人が親で本当に良かった、私は幸せ者だ』と。
まだ幼かった自分でも、そのことがハッキリと伝わるくらい、私を愛してくれていたのだと。
大切に育てられたおかげか、私はすくすく成長していった。
いつまでも、こんな生活が続くといいのにと思っていたが、それは、唐突に終わりを迎えた。
それは、幼稚園の卒園式の後だった。
父「A、卒園おめでとう!」
母「今日は、Aの好きな食べ物を夕飯に出すからね」
A「わぁ〜!楽しみ!」
そんな会話をしながら、歩いて家に帰っているときだった。横断歩道を渡っているときに、横から突然トラックが突っ込んできたのだ。
父・母「!?」
咄嗟にお父さんが、私を後ろへ突き飛ばした。私はそのまま尻餅をついた。立ち上がろうとしたその時、
ドシャァァァァァンッ!!
目の前でそんな音が響いた。
A「お父さん…お母さん…」
恐る恐るトラックの前方を見てみると、横には頭が潰れ、大量の血を流して倒れている親の姿があった。
その瞬間、頭が真っ白になった。突然の出来事で、思考が停止しているのだ。
A「お父さん……お母さん……ぅ、うわああああああん!!!」
…………
そこから先は、あまり覚えていない。救急車と警察官が来て、私は事情聴取で警察署に連れて行かれた。もちろん、トラックを運転していた人物もだ。その人は、過失運転致死傷で現行犯逮捕された。
私は警察官の人に事情を聴かされた後、親が運ばれた病院を訪れた。
中に入ると、白衣を着た30代くらいの男性が立っていた。
医師「如月Aさんですね。こちらにどうぞ」
医師はそう言って、近くにあった椅子を私に勧めてきた。私はすぐに椅子に座った。
________________________________
字数制限がきたので、キリが悪いですけど、次の話にいきます。
あと、試験期間中なので、更新が遅れるかも…
7人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
氷室玲奈 - トトロさん» いつも読んでくださって、ありがとうございます!!とても励みになります!! (3月8日 19時) (レス) id: 133a687971 (このIDを非表示/違反報告)
トトロ - ネスがカイザー以外の人に優しくてビックリ (3月6日 21時) (レス) @page25 id: 9e1b9944fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:氷室玲奈 | 作成日時:2023年9月6日 22時