She’s Berry：2nd

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夜も遅くなってきて、だけど未だに
紛失したデータに奮闘する作業は続いている。




このままダラダラ続けていても埒が明かない。
徹夜したら明日の仕事にも影響してしまうし、
この後どうするのか、そろそろ決めないと・・・。




今日の作業はこれで一旦終わりにして、
明日、客先には頭を下げることを
上司に報告した方がいいかも・・・。




そんなことを考えていると、
ブブッとスマホが振動して
目を背けていた問題が姿を現した。




『何時頃なら来れそう？』




届いたメッセージは、
やっぱり川上さんからのものだった。




今まで散々送られてきたメッセージを無視していたけど、
今日だけはそういうわけにいかないよね・・・と、
トーク画面を開いた。




『行きませんとお伝えしたはずです』

『待ってるって言ったでしょ？』




その返事に、本当に待つつもりなんだ・・って思って
なんでわざわざ会社まで会いに来たのかを考える。




一晩限りでいいのなら、もう連絡も取らずに
そのまま放っておいてくれればいいのに。


そうしてくれたら、
どれだけこっちの気がラクになるか・・・。




『今日、お昼過ぎにトラブルが起きてしまったので、
どちらにしろ行けません』

『待ってるよ。
日付が変わっても、夜が明けても』




どうして？
どうしてそんなこと言うの？
本当に行けないのに。




行きたくない私が
嘘でも吐いてると思ってる？


それとも、そう言えば諦めて
あの日と同じように
のこのこ家に来るとでも思ってるの？




それならもういっそのこと、
今日という日が永遠に明けなければいいのに。




そんな風に考えてしまうほど私は弱くて、
自分に自信を持てなくて、


川上さんに気を掛けてもらえるような
そんな人間じゃないのに・・・。





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