She’s Berry：2nd

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隣でこうして眠っているのに、
触れられる距離にいるのに、
すごく遠くに洋平さんを感じる。




今日こうなった
私たちの関係性は・・・？




色気のないひっつめ髪にしてしまうくらい
男性経験の多くない私が


この関係が今後も続くものなのか、
この場だけのものなのかを判断することは出来なくて


必死にこの部屋に来た時のことから
順を追って思い返してみる。




それでも、何度探してみても
確実に思える言葉は見つからなくて


感情と、洋平さんの行動や仕草だけで
どんどんと関係が進んでいってしまっていたことを
痛感するばかりだった。




僅かな期待を持てるとするならば、
行為の最中、洋平さんがすごく優しかったこと。


でもあれは、怖がる私が逃げないようにと
装っただけなのかもしれないし




苗字じゃなくて名前で呼んでとも言われたけれど、
でもそれだって確実とは言えない。


もしかしたら誰にでも、こういう関係になった子には
皆んなそういう風に言ってるのかもしれない。




ああ、待って。
これってもしかして・・・、


ううん、もしかしなくても。
私がさっきまで思っていたことと違うかもしれない。




そう思ったら、
ゴクリと唾を飲み込んでいた。




緊張？
後悔？
不安？




どの言葉も今の感情にはぴったりとは当て嵌まらないけど、
似たようなマイナスの感情がたくさん入り混じって
私に襲い掛かってくる。




もし、今、感じていることが
正解だったとしたら・・・、




そう思うと更に目が冴えて眠れなくなった。




今日こうなった関係を知るのが怖い・・・。




・・・もうすぐ夜が明ける。


洋平さんが目を覚ましたら、
きっと本当のことが分かってしまう。




私は隣で眠る洋平さんの温もりを体で感じながら、
夜明けにひとり怯えていた。




行為の最中は、今まで経験した中で一番最高の
幸せな夜明けになるって思っていたのに。




事実を聞くのが怖くて、
朝を迎えるのが怖くて、


目を覚ました洋平さんから
本当のことを知らされるのが怖くて。




耐え切れなくなった私は、夜が明ける前に
逃げるように洋平さんの部屋から抜け出した。





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