She’s Berry：2nd

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私のことを考えたらいい曲が出来たなんて言われて
どう捉えたらいいんだろう。




あの日に貰ったメッセージが
ずっと心の片隅に引っかかっていて、
ふとした瞬間に思い出しては考えてしまう。




深い意味なんてないのかもしれない。


よっぽどネタに困ってて、
たまたま私のことを思い浮かべたら
面白い曲が書けちゃったとか
それくらいのことかもしれないし・・・。




パソコンの電源を落として立ち上がると
同僚に声を掛けられた。




「Aさん、もう帰りですか？」

「うん、今日はもう帰るね」

「ここのところ残業続きでしたもんね」




お疲れ様ですって言ってくれた同僚に
お先にって告げる。




「外、降ってるみたいですよ？」

「えー、そうなんだ。
じゃあ傘持っていくね、ありがとう」




雨が降り出していることを教えてもらって、
傘を持ってエレベーターに向かった。




わ、すごい雨。


エレベーターを降りると、
降りしきる雨の音がザーザーと聞こえてきた。




最近急に天気が悪くなること多いなーって思いながら
ロビーの先にある出口へと向かう。




ロビーの中には激しく降る雨に足を止められた人達が
呆然と外を眺めていた。




さすがにこの土砂降りじゃ、
走っていくなんてわけにもいかないもんね。


傘を持ってる私でさえ、
出来れば外には出たくないくらいの激しい雨。




もう少し仕事してから帰れば良かったかな？
ゲリラ豪雨ならすぐ収まるかな・・・？




外に出るべきか、様子を見るべきか迷いながら
ロビーで外を眺める人たちの間を縫って出口へ近づいてみると、
見覚えのある後ろ姿を見つけてピタッと足を止めた。




・・・今日もスタジオ帰りなのかな？




ロビーのガラスの真ん前で外を眺めているその背中は
川上さんだった。




この前貰ったメッセージを思い出して、
声を掛けることに少し戸惑って・・・




でも、傘持ってないんだよね？


川上さんボーカルだし、
風邪とかひいたら絶対困るだろうし。




そうなったら、お仕事にも差し支えが出ちゃったり
するんだろうな・・・。





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