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*yoohei side





「・・ん、・・・A、ちゃん?」




目覚めると隣に彼女はいなかった。




ソファでそのままシちゃって、
ブランケットを掛けて寝ていたはずなのに
なぜか俺の体には布団が掛けられていて、
Aちゃんがわざわざ持ってきてくれたみたいだ。




・・・先に起きたのかな?




そう思って一度上げた頭を
またぽすりと元へ戻した。




ふたりで並んで眠るには
少し狭いソファに出来た隙間を指でなぞる。




ここに昨日、彼女が居たんだよな?




いまだに信じられないような気がする。




彼女が隣にいないことが
夢でも見たんじゃないかという思いに拍車を掛けて


不安になってまた起き上がれば、
昨日脱ぎ散らかした服とバスタオルが畳まれていて、
それを見て夢じゃなかったと
やっと現実味が増した。




だけどそれにしては静かだ。


先に起きているにしても、
なんの音も聞こえてこない。




「・・・Aちゃん?居るの?」




返ってくるのは静寂だけ。




妙な不安にさいなまれて、
畳まれていた昨日の服に手を伸ばす。


素っ裸で歩き回るわけにはいかないから
取り敢えず着けるものを身に着けて、
彼女を探しながら途中でTシャツを手に取ると頭から被った。




「Aちゃん?」
「Aちゃん?」




ひと通りすべての部屋を確認したけど、
この家の部屋のどこにも彼女の姿は見当たらなかった。




ふと振り返れば、玄関のシューズクロークには、
昨日彼女が持っていた赤い傘が掛けられたまま。




・・・忘れて帰っちゃった?




それにしたって、メモのひとつくらい残してくれてもいいのに。
黙って帰ることないだろ。




置いてけぼりにされた朝に拗ねれば、
また夢みたいな感覚に逆戻りする。




昨日、この腕の中に居た、・・よな?




自分の腕をじっと見つめながら
朝のまどろみの中、甘いひと時を過ごしたかったのに
なんて思いを馳せた。





*

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叢雲(プロフ) - かのんさん» 返信が届いていなかったようなので先程再チャレンジしてみました! (2021年5月31日 20時) (レス) id: 1b9e74f105 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - そうだったんですか?こちらも受信履歴にはないですね。まだ続きがある楽しみを幸せに待ってます! (2021年5月31日 0時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - かのんさん» 私もメッセージを返信させていただいたんですが送信箱に履歴が無くて...、返信は届いてますでしょうか?After話はもう少し続く予定ですのでそちらもお楽しみいただければ幸いです(^-^) (2021年5月30日 23時) (レス) id: 1b9e74f105 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - メッセージ送信するも、その後なぜかエラーで開けず。2人のその後も気になってたので&の方で読めて嬉しかったです!必ず読ませていただきます! (2021年5月30日 1時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - かのんさん» メッセージ送ってくださってありがとうございました(^-^)私も元のふたりに戻せて良かったなーと思っております。またお話を更新した際は読んでいただけると嬉しいです。 (2021年5月29日 23時) (レス) id: 1b9e74f105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:叢雲 | 作成日時:2021年2月19日 23時

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