突然の 九 ページ30
「紳士淑女の皆々様。本日は、御多忙の中お集まり頂き、有り難く存じます。」
会場に戻ったコナンと安室を迎えたのは、マイクを通して聞こえる声だった。参加者たちも歓談や食事をやめ、会場の前方の中心に設けられた壇へ目をやる。
そこに立っていたのは、ダークブラウンの髪の男だった。発せられる言葉は日本人並みに流暢だが、彫りの深い顔立ちは日本人とは似ても似つかない。
「主催者であるサワダの方より、ご挨拶申し上げます。」
そう言って、男は壇を降りる。代わりにマイクの前に立ったのは、見覚えのある男性ーー澤田正憲氏だ。
「皆様、この会に足をお運びくださり、誠にありがとうございます。」
朗々と話を続ける彼は、なんだか存在感を放っている。カリスマ性、というやつだろうか。参加者たちも、澤田から目を離そうとはしないままに、熱心に耳を傾けている。
周囲を見渡せば、まず蘭や園子が小五郎と一緒に居るのが見えた。どうやら、先ほどのあの人の山の中から回収していたらしい。そしてアーサーと敦は、小林と共に会場の端の方に固まって居る。三人とも澤田の方へ目を向けているが、その立ち方からして、三人で何やら話をしていたらしかった。
他の者達は、一様に動きを止めている。会場で動くものは、料理を運んだりグラスを回収したりと動いているウエイター達ぐらいだった。達、と言っても、そこまで人数がいるわけでもないらしい。安室を含め、十人にも満たないウエイター達が広い会場を歩き回っている。そこに忙しなさはなく、むしろゆったりとした上品さのようなものを醸していた。一流ホテルの接客とは、そういうものなのだろうか。
コナンが、一通り会場に目をやってから再び澤田を見れば、彼の挨拶も山場に来ているところだった。
「〜〜ですから、今後とも皆様のご助力をお願いしたくーー」
けれど其処で、不自然に澤田の言葉が止まった。
そして、なんだなんだ、と参加者たちがざわめき立つのとほぼ同じタイミング。
バタリ。
彼の体が、まるでスローモーションか何かのように、酷くゆっくりと、うつ伏せに……倒れた。
「ヒイッ！」
それは、誰のものだったか。
「キッ、キャアアアアァァーーーーーーッ！！」
耳に痛いほどの悲鳴が、会場中に響き渡った。
ーーそして。それは、突然の。
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美園(プロフ) - 今日はじめて見ましたがとても惹き込まれました！ (12月24日 19時) (
レス) id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 大好きな作品です…！ (6月29日 17時) (レス) @page1 id: 7b1be7f011 (このIDを非表示/違反報告)
むる - え！？！？！？！更新なくて残念です泣泣泣めっっっちゃくちゃ気になります………すごく読みやすくて設定も凝っててめちゃめちゃ良かったです。 (2022年8月14日 2時) (レス) id: 6ed738b467 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - 続きが凄く読みたいです。更新お願いします! (2022年7月27日 8時) (レス) @page43 id: 4d9c9f1a17 (このIDを非表示/違反報告)
舞琴(プロフ) - めちゃ続きが読みたいですっ！！！！更新待ってます！！！！！！ (2022年4月23日 23時) (レス) id: 6e4f314873 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫色 | 作成日時：2018年4月29日 20時
