第5話ー23 ページ49
『やっぱりグルはあんたのほうだったんだね。』
「へえー?」
「凛花ん家の前で見張ってたのは気付いてた。その後、襲撃にあった…。俺の友達に相談したら、それはおかしいって言ってた。どうにかしようとするはずだって。」
『あんた達がちゃんと家の前で張っていたら、凛花ん家の窓に入ろうとするヘルメット男たちが見えていたはずだ。不審者なのは見れば分かるんだから、すぐに現場に駆け付けるはず…。
なのに、あんたも丸橋刑事も来なかった。それどころか車ごと消えてましたね。その理由を必死に考えましたよ…疑いたくなかったので、他の道はないのかと。けど、思いつきませんでした。
どちらか又は両方がグルだという理由以外は。
あんたは、ヘルメット男たちが凛花さんの家に向かっているのを確認した後、奴らが凛花さんの家に入る前に丸橋刑事と車でその場を立ち去ったんだ。
そうすれば、例え仲間じゃなくとも、丸橋刑事も私たちを助けに来ることができない。』
「大体、潜入捜査なんて普通はやらせない。でも、あんたは俺たちを使った。」
『それも、丸橋刑事の猛反対を押し切ってまでね。表向きの理由は売人グループを一刻も早く検挙するため。だけど、それには裏の理由があった。』
「では、その裏の理由は?」
「凛花をハメるためだ。俺たちみたいなド素人を仲間にすれば、凛花の信用がなくなって会社を乗っ取れる。」
『で、その後は白木たちと組んで乗っ取った会社と違法な薬で金儲けをするってところでしょうか。』
根元刑事が私たちを馬鹿にするかのようなゆっくりとした拍手をした。
「ハハハ…いいぞ〜!!2人とも思っていたより頭がいい!!」
「頭がいいのは俺じゃなくて、Aちゃんともう一人の俺の友達だからな!?」
「じゃあ、未来の警察官たちに、一言!!」
根元が両手でピストルの形を作りながら私達を指す。
「えっ…?」
根元の言葉に凛花さんが驚くような目で私達を見ていた。
「彼らのような会社と組んで儲けるのも我々の特権だし、誰かが突然消えたりしてもどうとでもごまかせるのも我々の特権だ。」
根元が拳銃を私たちに向ける。
「あ、ちなみにこれじゃ撃てない。いいか?足は肩幅に。左手を添え、照準を合わせ、撃鉄を起こす。
これで正確に撃てる。覚えとけ…学生さんたち。」
最後の講義と言わんばかりのセリフの後、根元は引き金を引いた。
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おむらいす(プロフ) - どんな質問でしょうか (2021年3月27日 23時) (レス) id: 75ace3dbad (このIDを非表示/違反報告)
レム - 聞いても大丈夫でしょうか? (2021年3月25日 18時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2020年8月14日 18時