第5話ー19 ページ45
被っていた仮面を胸元に隠して、インターホンを押すがなかなか出てこない。警戒されていると思って声をかける。
『凛花さん、Aです。開けていただけませんか?』
すると、ドアの向こうでドタバタと激しい音がした。
勢いよく開いたドアにぶつからないようにすると、顔を出したのはジロちゃんだった。
「Aちゃん!なんで!」
『とりあえず、中入らせて?』
「ああ、ごめん。」
慌てるジロちゃんの脇を通って、室内に入らせてもらった。
「な、なんでここに?ってか、何その格好…。」
『あー、あなたの会社に白木っているでしょ?』
「誰、それ。」
『黒い服着た若い男がいたでしょ、昨日。』
「ああ!あいつか!」
『私、あいつのこと知ってるんだよね。』
そう打ち開ければ、2人は驚いて固まってしまった。
『まあ、色々あってさっきまで喋ってて、そしたら、凛花さんの家が襲われるって聞いたから…』
「え、ほんと?」
『うん、白木から聞いた。だから、早く凛花さんを逃がさなきゃと思いまして…』
その時、部屋にチャイムが鳴り響いた。全員の体が強ばった。
「…誰?」
「配達で〜す!開けてもらえますか?」
凛花さんが包丁を持って玄関に走ったのを、ジロちゃんが凛花さんの肩を掴んで止める。
その間もドアの向こうの人物は執拗にドアを叩いていた。
「…俺がいる。」
そーっと覗き穴を覗こうとしていたとき、私の視界を何かが横切った。
『ジロちゃん、窓!』
複数人の人間が窓を割って入ってくるタイミングに合わせて、玄関が突破された。
全員が黒いつなぎに黒のヘルメットを着用して武装していて、ジロちゃんと2人で手にとったハンガーで応戦する。
「…凛花、逃げろ!!」
「ジロちゃんは!?」
「早く!」
『行きますよ!』
凛花さんと一緒にマンションを離れるが、階段を降りて少し先のところで蹲ってしまった。
『大丈夫ですか?』
そう言って周りを警戒し、誰もいないことを確認してから凛花さんの隣にしゃがむ。
すると、凛花さんは立ち上がってマンションに戻ってしまった。
『待って…あ〜、もう!』
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おむらいす(プロフ) - どんな質問でしょうか (2021年3月27日 23時) (レス) id: 75ace3dbad (このIDを非表示/違反報告)
レム - 聞いても大丈夫でしょうか? (2021年3月25日 18時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2020年8月14日 18時