【未満警察】心が汚れたとて終われない[2] (ページ41)

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第5話ー15 ページ41

寮に帰った私はコミュニティルームにあるソファに座ってぼーっとニュースを見ていた。

覚醒剤の売人グループの男女が殺されたという事件の報道に、身を起こしてアナウンサーの言葉に耳を傾ける。

被害者の中には、未成年もいたらしく、警察は、どうやら縄張り争いの線で捜査をしているようだ。

『なるほど…縄張り争いに巻き込まれたか…

子供を抱えながら逃亡は厳しい。今日の様子じゃ流産しかねないし…下手すれば…

殺られる。』

ジロちゃんは食堂に来なかった。

私は、夕食の場では伝えられなかったことを2人に伝えるために315まで足を運んだ。

しかし、カイくんはいなかった。

『ジロちゃん、起きてる？』

ジロちゃんはベッドに上がって横になっていた。背を向けていて、どんな表情をしているのかは分からなかった。

『とりあえず、おつかれさん。

ショックだよね…自分の身内にさ、家族だと思った人達の中に犯罪者がいるってのは…。

でも、凛花さんを守れるのはジロちゃんしか居ないよ。私も協力するから、』

そこまで言った時、ジロちゃんがガバリと起き上がる。ベッドの上から見下ろされ、睨まれた。

『Aちゃんに何がわかんの？

…身内や知り合いに犯罪者がいたことある？本当に俺の気持ちわかって言ってんのかよ！

片野坂教官からAちゃんの親は警察官だって聞いた！

そんな人に、身内に犯罪者がいる心境なんて分かるかよ！』

『あー、ごめん…。』

思わずその剣幕に圧倒される。まだ気持ちの整理がつかないジロちゃんには早かったらしい。また後で来ようと部屋を後にした。