第5話ー6 ページ32
私達は凛花さんとの待ち合わせ場所であるバス停にいた。近くでは、車に乗った刑事さん2人と及川助教がその様子を見張っている。
ソワソワしてるジロちゃんに対して、カイくんは少し待ちくたびれた様子。腕を組んで後ろを向いたカイ君が、急に姿勢を正した。
『どったの?』
「いや…。」
潜入捜査…その言葉に私は別のことを考えていた。私の幼なじみももしかしたら…なんて考えて、はぁとため息をついた時、前方からクラクションの音がする。
「あっ、来た」
徐々に嬉しそうな表情になっていくジロちゃん。バスが動き出して、そこにいたのは綺麗な女の人だった。
「写真より可愛いな」
少しニヤつきながらカイ君が零す。
「……なんだよ」
『なんでも?』
ジト目で見ていたのがバレたのか、カイ君が何か言いたげな顔をしてこちらを見る。
『訓練の成果が出せるかなぁ〜』
「黙れ」
そんなやり取りの中、ジロちゃんが凛花さんの方へ歩き出した。
「ジロちゃん、久しぶり〜!」
「おー! 久しぶり凛花!」
「久しぶり!」
嬉しそうに駆けてきた凛花さんはジロちゃんに抱きついた。ジロちゃんも慣れた様子で受け止めると、そのまま抱き上げてクルクルと回転する。
キャッキャしながら話すジロちゃんと凛花さんを見て、羨ましいと思ってしまう。
『例え犯罪者だったとしても、幼なじみっていいもんだよね…。』
そう思わず零すと、カイくんに何?と聞かれてしまって、気にしないでと返そうと思った時、ふと凛花さんと目が合った。
「待って、この子誰!?」
『どうも、A夏輝って言います。』
「美人〜!え、彼女?」
『いえいえ、友達として仲良くさせていただいてます。』
「あ、だよねー!ジロちゃんには勿体ないくらい綺麗だもん!あ、私は凛花、よろしくね?」
「おい、凛花。それ、俺に失礼だぞ」
ジロちゃんとの会話の中、へへっと無邪気に笑う凛花さんが凄く可愛かった。
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おむらいす(プロフ) - どんな質問でしょうか (2021年3月27日 23時) (レス) id: 75ace3dbad (このIDを非表示/違反報告)
レム - 聞いても大丈夫でしょうか? (2021年3月25日 18時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2020年8月14日 18時