第4話ー16 ページ26
後日、258期2組の皆が寮の玄関前に並んだ。
スーツ姿のさやかを目の前に、別れの言葉を交わす。
「短い間だったけど、お世話になりました。」
「ほんとうに、辞めてよかったの?」
「そうだよ。小さい頃からの夢だったんでしょ?…あの絵にも描いてたじゃん。」
「己の限界を知って、初めて自分が出来ること、出来ないことに気付いた。
私は、警察官に向いてない。…諦めるしかない。
でも、人の役には立ちたいの!だから、カウンセラーの勉強をしようと思ってる。
昔、家出ばかりしてた頃、カウンセラーの人にたくさん助けてもらったから。
…そういう人になる。限界に気づいたから、新しい道が見えてきた。」
そう新たな夢を語るさやかは,真っ直ぐ前を見て、違う道ではあるけど、確かに先に進んでいた。
「…うん、さやかのこと応援する!」
「ありがとう…!」
「辞めても、私たち同期だよっ!」
「またグループチャットに入れ!招待すっから…!」
「いや、お前が言うかよ!」
「今度は友達として、ご飯行こうねっ!」
「うん。…A!私、生きるよ。
言われた通り、自分が生きることで変わっていくものが見たい!
だから、あなたもつぶれないでよ!?」
『わかった〜!もうちょっと頑張ってみる〜!』
私は、大丈夫という意味を込めて、グッドサインをさやかに向かって突き出した。
「またね、いってらっしゃい。」
ジロちゃんは手を振って、そう言葉を投げかける。
「…っ…なあ、野原!!」
カイくんが校門を出ようとしたさやかの元に駆け寄る。聞こえてくる言葉から察するに、LINEの文面についての話だろう
「カイくん,落ち込んだかな?」
隣にいるジロちゃんに声をかける
「いや、大丈夫でしょ!」
『だよね。』
そう言ってカイくんと離れるさやかを見つめていた。
「じゃ、行ってきます!」
敬礼をする野原さんにわたし達も敬礼で返す。ジロちゃんはにこやかに隣で手を振っていた。
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おむらいす(プロフ) - どんな質問でしょうか (2021年3月27日 23時) (レス) id: 75ace3dbad (このIDを非表示/違反報告)
レム - 聞いても大丈夫でしょうか? (2021年3月25日 18時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2020年8月14日 18時