【未満警察】心が汚れたとて終われない[2] (ページ22)

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第4話ー12 ページ22

「おかえり～」

カイくんが及川助教と一緒に帰ってきた。それでも、さやかの姿は確認できない。

「ただいま」

「犯人は？」

『さやかは？』

「野原さんは一緒じゃないの？｣

質問攻めにあうカイくんは、ちょっと落ち込んだような顔して笑顔を見せる。

「大黒署の人が動いてくれているから、大丈夫。野原は必ず帰ってくる」

『ねぇ、カイくん。元気がないようだけど？それって本心から大丈夫って思ってる？私は確かに嘘つきだけど、その代わり相手の嘘は見逃さないよ？』

｢大丈夫だって。｣

そういって颯爽と寮に戻ろうとするカイくん。

「僕、野原さんの事が好きなんだ」

その体は田畑くんの一言で止まった。

「そっか…え、嘘…」

「一目惚れだったんだ、野原さんはご飯を食べる姿が物凄く綺麗だった。あんな人見たことなかった。」

「…」

「野原さんが食べているとこ、また見れるかな？」

「また見れるよ、絶対」

「そのために僕らができることって何もないの？」

「ねぇよ、所詮俺たちは学生なんだよ。限界がある」

呆れたように言う黒岩くんの言葉にシンっと静まる。

『そういう時こそ、習ったことを振り返る時じゃない？』

私がそう言うと、カイくんがうなずいてくれる。

「教官の授業思い出そう！」

「授業？」

｢限界が来ても自分達にできることを今やればいい。｣

「今できること…」

「そうだ…。」

『カイくん、どうかした？』

「そういえば犯人の家で引っかかることがあって…。」

『ちょっと待った、長くなりそうだからミーティングルーム行こう。』