【未満警察】心が汚れたとて終われない[2] (ページ19)

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第4話ー9 ページ19

｢Aちゃん？大丈夫？」

『え、あ、うん。電話かけてんの？』

｢でも、出ないんだ。｣

思考の沼からジロちゃんの声で戻ってくると、カイくんが電話をかけていた。LINEでもメッセージを送り、そしてまた電話を掛け始めるカイくん。それを、ジロちゃんと一緒に傍で見守る。

「…やっと出た…もしもし、野原？…よかった、生きてた…大丈夫？今、どこにいるの？」

『カイくん、スピーカー。』

カイくんは頷いてスピーカーモードに変える。

"こちら懐かしのソフト麺、揚げパン添えでございます。

さやかの携帯は、そんな周りの音を拾っても本人の声は一切聞こえない。

「聞いてる？野原、」

《………》

「もしよかったらすぐに行くから。俺と話さない？」

《………》

「切られた。」

「どうすんの。」

「俺がなんとかしなきゃ…。」

結局、さやかからはなんの返答のないまま電話は切れてしまった。が、これで居場所はわかった。

『カイくん、これ。』

先程、さやかの携帯が拾った周囲の音から検索したお店を見せる。

｢"cafe Lembranca"」

「Aちゃん仕事が早い…。」

『カイくん…助けてあげて…。』

「…もちろん。２人は待ってて。何かあったら連絡する」

『了解。いってらっしゃ〜い』

優しく笑ったカイくんは自転車を漕いで学校を出発した。