第4話ー5 ページ15
急に動いたせいでクラっとする。
『いや、その話は私にして大丈夫なの?恋愛相談は私じゃ役不足だよ?』
「落ち着いて?」
『あ、ハイ…。ごめん、先をどうぞ。』
私は再びベッドに体を倒す。
「だけど、この想いを伝えるのは怖い。告白して困らせたくないし…それに、警察学校辞めることも考えてて…」
『まじか…』
「今日だってみんなの足引っ張って、連帯責任になっちゃったし…お荷物かなって…Aはさ、死にたいって思ったことある?」
『あるよ。何回も何回も…。』
さやかが起き上がる気配がした。
『人に話すのは初めてだけど…まあ、さやかが悩みを打ち明けてくれたからお返しに?
私の父親は警察官だった…けど、もう居ない。
何をしたのか知らないけど、裏切り者って呼ばれてて…私がどんなに成果を出したとしても、裏切り者の娘っていうのレッテルは取れなくて…その度に傷ついて死にたくなってた…かな。
…きっと、黒岩くんに知られたらここにも居られなくなるからナイショだよ?』
最後にふふっと笑ってさやかの顔を見れば、驚いた顔をしていた。
『まあ、カイ&ジロと一緒に問題起こしまくっててバレてないのは奇跡だよね。』
「そうだったんだ…。」
『だから、死にたくなることは誰にだってあることだとは思う。けど…私には死ぬ勇気がない。
まだ、怖いと思っている自分がいる。
その度に、これでいいんだ、まだ生きてみようって思えるんだよね。死んでもなーんにも変わらないかなって。
だから、生きてるし、生きて何かが変わるといいなって。』
「なんか、思ったより重いもの背負ってるんだね。いつもニコニコしててゆるいから…」
『頭までユルユルだと思った?酷いなぁ〜。』
「いや、そこまでは言ってないよ。」
そう言ってさやかは少し笑った。
しばらく医務室で過ごして、教室に戻ってきた。
「さやかは笑ってる顔の方が可愛いよ。無理して背伸びしなくても大丈夫。」
そう言って背中を軽くポンっと叩いてから中へと入る。
その時、私はさやかの浮かない顔に気づいていなかった。
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おむらいす(プロフ) - どんな質問でしょうか (2021年3月27日 23時) (レス) id: 75ace3dbad (このIDを非表示/違反報告)
レム - 聞いても大丈夫でしょうか? (2021年3月25日 18時) (レス) id: 59a18b3b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2020年8月14日 18時