8〜ヒロインside〜 ページ8
お風呂から上がり、籠に放り込まれた深青のYシャツに袖を通した。
そのシャツからは硝煙の匂いと煙草の匂いが染み付いてて、これは次元さんのモノだろうと予想がついた。
赤ちゃんにタオルを巻き、バスルームから出ると入り口に次元さんが壁に凭れていた。
『シャツありがとうございます。』
次元さんは無愛想に一言だけ返事し、赤ちゃんを引き取るとそのままリビングへ帰っていった。
それに続いて髪をタオルで拭ってると何故か次元さんの悲鳴が聞こえた。
慌てて駆けつけると赤ちゃんぎ楽しげに次元さんの髭を掴んではしゃいでいる。
『た、楽しそうですね?』
次「馬鹿な事ほざいてねぇで助けろ!」
そう怒鳴りはするが、次元さんは決して赤ちゃんに乱暴な事をする気配はない。
ヴェスパニアの時から思ってたが、次元さんやルパンさんは子供や弱い相手には手は出さないのがポリシーなのかもしれない。
そう微笑ましく思ってると、赤ちゃんは楽しげに次元さんの髭の付け根……つまり毛根ごと掴み始めた。
次「いてぇーー!!!」
『わ、流石にストップだよ!赤ちゃん!!』
されど赤ちゃん、私達の慌てふためく反応により気分を良くしたのかご機嫌だ。
ル「御神楽ちゃ〜ん、お風呂ど〜お?」
リビングからルパンさんの呑気な声が聞こえ、私は取り敢えず「気持ち良かったですけど、取り敢えずルパンさんも手伝って下さいよ!」とSOSを出した。
程なくしてルパンさんがやってきて、赤ちゃんにガラガラを手渡した。
「きゃ〜!」
次「おいルパン…
ル「これは即席なぁ〜のっ!」
次元さんは自慢の髭を擦り、私は取り敢えず小さく溜め息を吐いた。
ル「ところでぇ〜御神楽ちゅわ〜ん♡」
『何ですか。』
ル「シャツが次元なのは癪だけど、下が防護スーツのズボンなのはエクセレントッ。その惜しみ無く見える素肌が最高っ!」
クネクネ動いてそう力説するルパンさん。
……ハッキリ言って、気色悪い。
『はぁ。』
ル「オジサン、今日は御神楽ちゃんと…。」
『ーーーねぇ?ルパンさん。』
ル「あ、はい。」
凄みを意識して微笑み、私は片足を上げた。
『私、これでも
刹那、ルパンさんが青ざめてすぐさま私から離れた。
ル「な、なんでも…ありましぇん。」
次「…とんだじゃじゃ馬だな。」
108人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四條暁(プロフ) - ピーナッツバタークリームさん» こちらにまでコメントありがとうございます!!今はまだ更新停止中ですが、ホスト部の方が落ち着き次第また書きますね!(*`・ω・)ゞ (2022年3月16日 0時) (レス) id: 4bcf0e63da (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツバタークリーム - お久しぶりです。最新話まで読み終わりました。とても惹き込まれる話でヒロインと降谷零さんの今後が気になりっぱなしです(´・¿?・`)キニナル更新待ってます(●´ω`●) (2022年3月15日 23時) (レス) @page17 id: ea89bfb102 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:四條暁 | 作成日時:2021年1月19日 19時