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次元さんが皮肉に笑う。
『……わ、わたしは……。』
グラスで溶けた氷が転がる音に交ざり、私が声を紡いだ刹那、赤ちゃんの泣き声が響いた。
「ふぇぇ〜〜!!」
『あ!ご、ごめんね!ミルクかな!?』
慌てて赤ちゃんを抱っこしてあやすと不意に次元さんが立ち上がった。
あやしてるといつの間にか次元さんが哺乳瓶を持って戻ってきた。
次「ん。」
『あ、ありがとう…ございます。』
ちゃんと人肌に調節されてるソレを受け取り、赤ちゃんに飲ませる。
んくんく勢い良く赤ちゃんは飲んでいくのを眺めてると、不意に次元さんが私を背後から抱き締めた。
……ドキリと、心臓が跳ね上がった。
息が止まり、ふわりと硝煙とタバコ、それからワインの香りが鼻腔を擽る。
硬直する私に次元さんは「なんもしねぇよ。」と呆れながら呟いて肩に手を置く。
次「別に今すぐ決めろなんて言わねぇよ。お前さんが良いと思ったら言え、オレらは待ってる。」
耳元でそう囁かれ、私は小さく頷いた。
次「それから堅苦しい敬語も要らねぇよ。」
それだけ言うと次元さんは食器を持って部屋から出て行った。
残された私は何故か早鐘を打つ胸を押さえ、赤ちゃんをギュッと抱き締める。
『な、何なの……あれ。』
思わずベッドに座り込み、酒気か別の意味でか火照る肌を片手で押さえた。
「あぅ〜?」
『あ、ごめんね。なんでもないよ。』
……何故か、胸の奥が酷くざわついた。
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四條暁(プロフ) - ピーナッツバタークリームさん» こちらにまでコメントありがとうございます!!今はまだ更新停止中ですが、ホスト部の方が落ち着き次第また書きますね!(*`・ω・)ゞ (2022年3月16日 0時) (レス) id: 4bcf0e63da (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツバタークリーム - お久しぶりです。最新話まで読み終わりました。とても惹き込まれる話でヒロインと降谷零さんの今後が気になりっぱなしです(´・¿?・`)キニナル更新待ってます(●´ω`●) (2022年3月15日 23時) (レス) @page17 id: ea89bfb102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四條暁 | 作成日時:2021年1月19日 19時