互いの祈りはすれ違う ページ24
『零さんも零さんだよ。何あのLINE、何が「すまない」だよ。諦めんなよッ!!』
掴まれた手を振り払い、私は怒鳴った。
ーー違う、こんな事が言いたいんじゃない。
『アタシが好きなら離さないでよ!!守るって、ずっと一緒に居るって言ったじゃん!!!』
零「ッじゃあ何だ「一緒に死んでくれ」とでも言えと!?」
『どうせ尽きる命なら、私はアンタの隣で死にたい!!!』
その時、零さんが怖い表情になって私の頬を叩いた。
物々しいモーター音が響く通路に、乾いた音が遮った。
赤「降谷君!」
秀さんの咎める声に、零さんの苦しげな唸り声が被さる。
零「俺が、どんな想いで…
両肩を痛い程掴まれ、指先が防護スーツ越しに肩口に食い込む。
その様子から一つの仮説が立てられた。
『……知ってたんだ、私の力の事。』
零「北都さんから昨日、連絡が来て知った。何故、俺に黙ってた…。」
私は言葉に詰まり、広い背中に腕を回そうとして咄嗟に零さんを突き飛ばした。
『なら、なおの事。私はこの命尽きるまで戦う。』
そう低く告げた時、下の方から「そこに居るんでしょ!?ねぇ!赤井さん!!」と江戸川の声がした。
手すりから身を乗り出すと、江戸川が驚きに目を丸くしたのが見える。
コ「Aさんッ!?」
『人の話聞かないヤツだなテメェ。やっぱり来たか。』
コ「…Aさんこそ、何の用?」
『“あるべき運命”を変革しに来た。』
それだけ伝えると江戸川の目は更に丸くなり、何処か安心したようにも見えた。
『江戸川ぁ、車軸とホイールの所に爆弾があんだろ?ならこの血の気が多い二人連れていきな。』
手すりに登り江戸川を見下ろして指示を出す。
零「コナン君!Aが言ったのは本当か!?」
コ「うん!奴ら、キュラソーの奪還に失敗したら爆弾で全て吹っ飛ばすつもりなんだ!」
もう、そこまで来てしまった。
零さんが江戸川に気を取られてる隙に、私はインカムを着けた。
『……予定通りに、解ってますね?』
《へいへ〜い、わぁってますよ御神楽ちゃん。》
『こちらが合図を出すまで、もうしばらく待ってて下さい。』
それだけ伝え、インカムの電源を切るとそのまま手すりを飛び越えた。
車軸の僅かに出来た突っ張りを掴み、江戸川の居る下へ降りる。
59人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四條暁(プロフ) - 明けましておめでとうございます!!今年も皆様にとって実り多い年になる事をお祈りいたします!これからも宜しくお願い致します!!m(_ _)m (2021年1月1日 1時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
四條暁(プロフ) - 【3R】の正体、皆さんは分かりますか?(お気に入り登録49人突破!登録して下さった方、読んで下さってる方に感謝です(*´▽`*)) (2020年12月27日 18時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:四條暁 | 作成日時:2020年12月20日 4時