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カウントダウン ページ22

いつかの繰り返しみたいに空中散歩する中、不意に快斗が「なぁ、A。」と口を開いた。


『どーした?』

快「…お前、変わったよな。」

『何処ぞの名探偵さんみたいな事言うね、快斗。』


茶化し交じりに笑うと「アイツと一緒にすんなよ。」と若干不機嫌になった快斗。


快「少なくとも俺が初めて会った時より、なんか雰囲気が柔らかくなったし弱さとか見せてくれてんじゃん?」

『特にアンタには隠す気にもなれないけどね。』


クソ親戚共の時はお世話になったし。

私がそう呟くと快斗が「それもそうか。」と頷く。


『まぁ……昔だったら人を頼るなんて考えもしなかったけどね。』

快「ん?なんか言ったか?」

『なぁ〜んも。』


キツく閉じた瞼の裏、そこには懐かしい子供の姿が。


頼るのも忘れ、甘えを許さず、勝手に大人になった気になってたガキが。

優しさを突っぱね、大切を作ろうともしなかった(ガキ)が。


『変わったついでにゲロっちゃうとさ。』

快「あ?」

『……アンタと出逢えて良かったよ、黒羽快斗。』


私がそう笑ってそう言うと快斗は目を丸くし「な、何だよ突然…。」なんて顔を逸らす。


『はっはっはっ!照れるな照れるな!まぁ、こんな美人に言われたら思春期男子が照れないワケないな!』

快「…落とすぞこの怪力女。」

『その怪力女に命救われたんだよテメェは!恩を仇で返す気か!?この人でなしっ!』

快「だぁってろ!!」


軽快な私の笑い声が重苦しい夜空に響く。

真っ白な翼に運ばれ、これから赴くのは戦場だ。

ただ、この一時だけは心穏やかになれた。


『…快斗。』

快「今度は何だよ。」

『ーーホントにありがと、助けてくれて。』






ちゃんと笑えたかな。

不自然じゃなかったかな。

コイツは江戸川と一緒で勘が鋭いからなぁ〜…。



ーー…それは、ただの直感。


だけど、また確かな事でもあった。


もう……時間がない。


案外【終焉(おわり)】は近いらしい。


頭が酷く痛むし、込み上げる吐き気もある。



私が死ぬのが早いか、それとも事件が終わるのが先か。


悪趣味な博打を前に私は思い浮かべるばかり。




ーー…零さん、逢いたいよ。

守られるばかりの華は剣を取った→←いつか花咲き、それは芽吹いていく



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設定タグ:名探偵コナン , 純黒の悪夢 , 安室透/降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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四條暁(プロフ) - 明けましておめでとうございます!!今年も皆様にとって実り多い年になる事をお祈りいたします!これからも宜しくお願い致します!!m(_ _)m (2021年1月1日 1時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
四條暁(プロフ) - 【3R】の正体、皆さんは分かりますか?(お気に入り登録49人突破!登録して下さった方、読んで下さってる方に感謝です(*´▽`*)) (2020年12月27日 18時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年12月20日 4時

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