その妻、察する ページ4
…別に気が触れたワケでもないし、日頃から虹の向こうの妖精が隠し持ってる金塊を探してるワケでもない。
これは事実であり、あの白い髭のお爺さんがあの夜私に頼んだ事のヒントでもあった。
まず最初に疑問に思ったのは、無意識のうちにやっていた事について。
ダーズリー夫妻から嫌味だらけの思い出話を聞くと、私が近所の悪ガキにちょっかいを出された後必ず悪ガキ達に小さな不幸が訪れたらしい。
あるガキは突然毛むくじゃらになり、またあるガキは当時好きだった女子の前で赤ちゃん帰りしたり…。
最初は「ただの偶然か、それとも話を盛っているんだろう」みたいな受け取りだった。
しかし、一度ダドリーが私に向かって泥を投げ付けてきた事があった。
距離が近過ぎ、避けきれないと悟った時ふと脳裏に過った。
《いっそダドリーの脳天に落ちれば良いのに》と
そして不思議な事に、投げられた泥は意思を持ってるようにダドリーの脳天へクリーンヒットした。
明らかに不自然……と言うかあり得ない。
……これが私が【魔法使い】だと知ったキッカケだ。
それを裏付けるようにハリーが泣いたり怒ったりした時は、それが更に顕著に現れた。
ある時はハリーがギャン泣きしただけで家のアンテナに雷が落雷し、またある時は理不尽な事で怒られた彼が叔父さんを睨んだら叔父さんの持っていた本が突然浮かんでドサドサ頭に落とされたり…色々あった。
ここまで実際にやったり、見たりしたら察するなと言う方が無理がある。
そして何より、図書館の歴史の本や古い新聞を調べていくと本当に魔法使いや魔女は実在していたらしい。
当時は【魔法使い】【ノーマジ(魔力を持たない一般人)】と分けられ、その中で様々な事件や出来事が起きていたらしい。
そしてそのほとんどが【謎多き事件】として掲載されてたりと、なあなあにされてきていた。
事件があった年はやけに【魔法】やら【科学的根拠がつかない事態や現象】を否定する本が出版され、その溝や因縁の強大さは火を見るより明らか。
事実、揺さぶりがてらダーズリー夫妻に【魔法使い】について話したら焦っている様子を何度か見せた。
そして独自解釈だけど、あの時お爺さんが頼んできた「その時まで見ていて欲しい」とは、ハリーの事じゃないだろうかと。
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作者名:四條暁 | 作成日時:2023年4月20日 0時