9 ページ9
…多分、また風見さんが頑張ってくれたんだろうけど。
『まぁでも、ハロが楽しそうで良かったよ。』
ハ「ハロちゃん、女の人からスゴく人気だよね。」
『ね〜。』
店内からはハロのはしゃぐ声に女の人の「可愛い〜」コールが響いている。
…ホント、零さんと同じで女性にモテるんだよなぁ。
『はぁ〜…あの騒がしい奴らが居ないとホントに平和〜。』
ハ「だねぇ〜…ほんと、へい……。」
わ、とハルヒが続けようとした時だった。
遠くから聞こえたローター音に私は空を見上げた。
《ハルヒーーーーーーーーッ!!!!》
『…じゃなかったね。ハルヒ。』
ハ「……だね。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美「まぁまぁまぁ!!可愛い坊や達ですことーー!」
こんな静かな場所にヘリのモーター音なんて聞こえたら騒ぎになる。
…思わず隠し持ってた拳銃でヘリの結合部分をブッ壊さなかったのを褒めてもらいたい。
鳳「けどまさか、二人もここに居るとはな。」
通りで電話に出ないワケだ、と続けた鏡夜先輩に向けて肩を軽く竦めた。
『営業中にスマホなんか構えないって。』
馨「…それにしたって連絡くらいしてくれたって良いじゃん。」
『ごめんて。』
って言うか、連絡したらしたで絶対来るじゃん。
そんな面倒な事になったら、私達だけじゃなくて美鈴さんにまで迷惑が掛かってしまうだろう。
相変わらず不貞腐れた馨にそうとは言えず、適当に誤魔化しておく。
環「ふりふりの…オネェさん。」
美「みすずっち、って呼んでねっ♡」
私達が来た時と同じテンションのまま、美鈴さんは先輩達に投げキッスを贈った。
鳳「蘭花さんとは、昔のお店のお仲間さんでいらっしゃる。」
環「…だから何故お前が知ってる。」
ハ「いや本当に…。」
瞬間、私と零さんは苦笑した。
鏡夜先輩、その内ヤバい
まぁ下手な事はしないだろうけど、なんっか巻き込まれそうな気がする…。
ちなみに、この数十年後。
この時の私の予感は見事的中し、ようやく慣れてきた【平穏】と一時的な別れを迎えるのだが…。
それはいつか、また機会があったら。
193人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:四條暁 | 作成日時:2021年8月9日 5時