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どうしたモンだ。
もしもここで見付かりでもしたら、絶ッッッッ対に騒ぐか「自分も探す！」とか言い出すに決まってる。
私は慌ててマスクとメガネを付けた。
『なんでこんな時に…。』
まさか数時間前に私が言ってた事が、本当になるなんて思いもしなかったし…。
風見さんがインカムで他の部下さん達に指示を出してるのを横目に、零さんが視線を鋭くして逃げた犯人の姿を探している。
私もキョロキョロと周囲を見渡した時、ステージでショーをしてた司会の女の人が「もう一体怪人が！」と慌てたように実況し始めた。
…って言うか、司会の子れんげじゃん……。
もう驚きも越え、呆れて見てるとエリンギみたいな見た目の怪人がステージに出てきていた。
司会をしてるれんげは何処か慌てており、ヤイバーや他の怪人も動揺してる気がする。
零「あの歩き方は…！」
『ま、まさか…。』
零「間違いない、あの歩き方はさっきまで追い掛けてた奴だ。」
『何でよりによってヒーローショーに飛び入り参加すんのーー！！』
いや、分かる。犯人の目的が。
どうせ零さん達が見失ってる間に、このまま撒くか、どうにかしたかったんだろう。
けどそれにしたって、何で怪人の姿で登場したんだ…。
風「…ショーを中止させますか？」
零「いや、場合によって犯人が逆上したら観客達に危害が及ぶ。それだけは避けなければ…。」
確かに、もしも犯人が刃物を持ってたりしたら近くにいるヤイバー達やれんげが危険だ。
勿論、最前列でヤイバー達を応援してる環先輩達もだ。
かといってこのまま犯人を野放しにするのは考えられない。
その時ふと、近くで風船を配り終えたネコの着ぐるみが関係者控え室へと入っていくのが見えた。
『…零さん、私の案に乗る？』
零「何か方法があるのか？真琴。」
『まぁ…あるっちゃある…。』
零さんからしたら、不本意だろうけど……。
そして私は、手短に説明した。
零「…本気か？」
『だぁよね〜。』
零「いや、この際僕が出るのは構わない。だが、真琴が危険じゃないか？」
『大丈夫だよ、危なくなったら腕折ってやるつもりだし。』
言い過ぎかもしれないが、ここまで言っておかないと多分零さんは信用してくれないだろう。
嬉しい事に、彼は私の事を大切にしてくれてるし少し過保護だし。
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作者名：四條暁 | 作成日時：2021年8月9日 5時
