【名探偵コナン&桜蘭高校ホスト部その夫婦、ホストになってみるご様子！】その8! (ページ15)

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私が笑顔を向ける直前、ドッペルが先に「はーい！いらっしゃいませ～！」とお客さんの元へ行く。

大きな荷物を持ったお客さんはドッペルのオーラにほぅっとうっとりとした表情を浮かべ、すぐに我に返った。

ﾓﾌﾞ「あ、あのぅ…しゅ、宿泊の予約をしてた者ですが…。」

光「あー！はいはい！お待ちしてましたー！」

馨「ゆっくりしてってねー！ご予約のお客さん、お部屋にご案内でーす！」

持ち前の人懐っこさも相まってか、ドッペルは少しばかり砕けた口調でお客さんを案内していく。

美「うんうん。態度はデカいけど憎めないキャラね！爽やか度プラス５点！」

うっとりと美鈴さんがドッペルを見守り、ふと横を通り過ぎたモリ先輩を呼び止める。

美「あ！崇くん！そこのテーブル脚が緩いの～。直して貰えないかしら。」

モリ先輩は何も言わず、美鈴さんが指さしたテーブルを担いだ。

おぉ…頼もしいな。

思わず私も感心し、先輩が「了解」と答えて中庭へと出ていく。

美「ん～！言動にムダが無いわ！爽やか度プラス５点！」

やはり審査員という事もあり、美鈴さんは部員達へ点数を点けていく。

ハ「あ、あの…【爽やか度】って？」

普段あまり聞き慣れない(と言うか私も初めて聞いた)言葉に、ハルヒは困惑気味に美鈴さんへ尋ねる。

美鈴さんは「んふっ」と微笑み、クルリと回った。

美「ハルヒちゃん、暁ちゃん！お客さん達が何を求めて軽井沢に来てるのか分かる？」

ハ「えっ？えーっ…と、涼しさ…とか？」

『都会には無い緑とか？』

突然話を振られ、戸惑いながらも答えると美鈴さんは「う～ん。それもあるけどねぇ～」と答えた。

それ以外に他に何かあっただろうか、ハルヒと二人で顔を見合わせた。

美「都会では味わえない爽やかな風！爽やかな景色！そして…【爽やかな男の子達】よ！」

…ホント、れんげに似てる。

思わず脱力し、私は美鈴さんの話し相手をハルヒに任せて厨房へと向かった。

美鈴さんの言葉を借りれば【爽やかな男子達】効果か、溢れんばかりに来店してきたお客さんも落ち着いていた。

談笑をBGMに、数日ぶりの穏やかな苦笑を浮かべた。