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環「親しみやすさ!!」

『ヒィッ!?』


不意に環先輩が人差し指を突き立て、新聞部の三人へそう言い放つ。

その声は盗聴器越しでもキーンっと私の耳を刺し、イヤホンが小さくハウリングを起こした瞬間に耳から外した。


環「新聞部のマイナスイメージを払拭(ふっしょく)し、再び読者を掴む為には親しみやすさが不可欠!!」


未だに鼓膜(こまく)がキーンとするのを無視し、先輩に気付かれないよう睨み付けた。

そんな私の怒りも(つゆ)知らず、環先輩は「これぞまさに計算通り。」などと顎に手を置く。


環「“庶民の遊びに(きょう)じるホスト部、美男子達”屋外で初夏(しょか)の爽やかな背景も相まって、一面を飾るにはピッタリな(うるわ)しさ!」


「おまけに一部の庶民も童心に変えれる!」と高らかに歌い、環先輩は私の隣に立つハルヒへアピールをする。

…ホント、このバカのどこが“腹黒い”と思う要素があるだが…。

再び「ダルマさんが転んだ」を再開する環先輩を眺め、思わず溜め息を吐き出した。


環「ほらほら!暁と先生も!」

『…はいはい。』

零「須王君は本当に、いつも楽しそうだな。」


もうどうにでもしてくれと思いつつ再び溜め息を吐きながら歩き出すと、すぐ横を鏡夜先輩が横切った。


鳳「録ってるならデータを後でオレにも渡せ。」

『…はいよ。』


特に表情も変えずにそう呟いた先輩に苦笑いする。

そして、零さんに目配りをしてから回れ右をした。

向かう先は新聞部に取材とは名ばかりの尋問(じんもん)を受けてるハルヒだ。


小松「彼の裏の顔を教えてくれないか?あるいは君を手助け出来る。」

ハ「あの人に裏の顔なんて、ありませんよ?」


探りを入れる小松澤先輩の目にも(おく)する事なく、ハルヒはあっけらかんと返した。

その様子に私と零さんは顔を見合せ、そして小さく笑った。


『ハールヒ、どうしたの?』

ハ「暁…安室先生も。」

零「あまりサボっていると、須王君がまた不貞腐れてしまうよ。」


零さんがハルヒと新聞部の間に立ち、私は彼女を隠すように前へ一歩出た。

その瞬間、小松澤先輩がニヤリと笑ったのを見逃さなかった。


小松「…そう言えば、四條君は数ヵ月前に大怪我をしていましたね。あれから怪我はどうです?」

『お陰さまで。もう完治しましたよ。』

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設定タグ:桜蘭高校ホスト部 , 名探偵コナン , 安室透/降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:四條暁 | 作成日時:2021年8月9日 5時

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