〜NOside〜 ページ47
環「よぉ〜し!霧美ちゃん!あれが本当のおにぃちゃまだよ!」
霧「おにぃちゃま!?」
環が興奮気味の霧美を降ろすと猫沢先輩の方を指差す。
零「あ、ちょっと待っ…。」
しかし、ここで状況を思い出して欲しい。
猫沢先輩は自分の顔に向けて懐中電灯を点けているのだ。
そして、室内は猫沢先輩に優しい暗がり。
すぐさまこの後の展開を察した零が止めようとするのも遅く、彼はユラァと霧美の方へゆっくり振り返る。
既に強い光によって充てられ、身体がフラフラなのも相まっていつもより不気味さが窺える。
猫「き、霧美ぃ〜…。」
そして、振り返った事によって懐中電灯の位置が顔の下へと下がってしまった。
…言わば、暗がりで人を脅かすように不気味に彼の顔が照らされた。
霧「お、お化けぇぇぇ〜!!」
まだまだ幼い彼女にはあまりにも恐ろしく、途端に泣きながら何処かへ飛び出していった。
止めようと中腰だった零は「あ〜あ…。」と苦笑し、再び座り直した。
猫「き、霧美…。」
折角勇気を出した猫沢先輩は自分を見てまた泣き出し、そして逃げていった霧美を思って膝を折った。
環「あ、あの…。」
流石の環でも言葉を失い、慰めのセリフを探してると猫沢先輩は「もう、もう良いですよ…須王君。」と弱々しく首を横に振った。
環「もう良いって…。」
猫「どうしたって私は霧美に好かれないんです、今更どう足掻いても……。」
環「ーー…ふざけんなよ。」
猫沢先輩の言葉を環はいつになく強い口調で遮り、藤色の瞳をスッと細めた。
環「あの子が本当に会いたいのはアンタだろ。妹が大事ならもっと死ぬ気で根性見せてみろよ。」
猫「…須王君……。」
その言葉を聞き、猫沢先輩は目を見開いた。
一瞬、環の隣に深紅の瞳を持つ少年が見えたからだ。
見た目こそ物静かそうなのに、中身は苛烈の一言に尽きる…四條暁を。
光「うっわぁ〜…殿ってば今の暁みた〜い!」
零「四條君が居たら、似たような事を言うでしょうね。」
馨「いやいや!また“子宮に置いてきた根性を拾ってこい?それか
やはり彼以外にもそう思ったメンバーは居たらしく、重苦しくなりかけた室内が少し明るくなった。
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四條暁(プロフ) - 心結さん» 応援して頂きありがとうございます!これからも頑張ります(*`・ω・)ゞ (2021年5月15日 16時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - お疲れ様です!今回も夢主と澪さんの会話などいろいろ楽し見ながら読んでます!これからも応援してるので頑張ってくださいね(*^^*) (2021年5月15日 15時) (レス) id: 59ce652171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四條暁 | 作成日時:2021年5月11日 17時