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番外編 【武勇伝の塊でして…】続き ページ27

若干不服そうにする双子をよそに、鏡夜先輩が「ほぅ?」とメガネのブリッジを上げた。


鳳「良いのか?そんな軽率(けいそつ)な事を言って。本来なら関係者以外に事件の話をするのは禁止されてるんだろう?」

『誰も本当にあった事件とは言ってないだろ?あくまで小説に書かれてる(・・・・・・・・)内容だよ、読み聞かせみたいなヤツ。』


そう言って本を見せ、私は栞を挟んでたページを開いた。


『“ーー…彼は絶体絶命(ぜったいぜつめい)に陥っていた。自分を囲い、中にはいやらしく舌を舐める男達を睨み、後ろ手に掛けられた手錠(てじょう)の鍵穴へ針金を挿し込んだ。”』

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明らかに殺気立ってるであろう、部屋の中心に腰掛けたサングラスの男が苛立たしげに舌打ちする。


You happy now?(これで満足か?)


嫌味ったらしい笑みを浮かべ、サングラスの男はくたびれたズボンのポケットからバタフライナイフを取り出した。

小さな突起があるソレは押すと畳まれてる刃が出てくる為、あまり荷物にならず男達はソレを使っては“仕事”をしている。


Yeah, I'm happy.(ああ満足だよ)


気付かれないよう注意を逸らし、彼は手首を拘束する手錠を外すことに集中する。

彼の発言にサングラスの男は大声で笑い出し、そして彼の月明かりのような金髪を鷲掴みにした。

乱暴に掴んだ勢いにより、彼の金髪の数本がブチブチと千切れていくのが分かった。

早口かつ怒号(どごう)交じりに告げられる言葉は耳障(みみざわ)りであり、その単語からして彼を無事に帰そうとする気はさらさらないのが解った。


ーー…さて、どうして彼がこうなってしまったか簡潔(かんけつ)に言えば単なる時間稼ぎ(・・・・)だった。


本来ならば、彼ではなくもっと適任(てきにん)は居たのだが、ソレを蹴ったのは彼自身。

…いや、彼女(・・)であれば一瞬でこの殺伐(さつばつ)とした部屋を死屍累々(ししるいるい)へ変えてしまうだろう。

今回の事件に一番腹に据えかねてるのは彼女なのは、隣に居た彼がよく知っている。


身寄りのない、幼くて純真無垢(じゅんしんむく)な子供達をターゲットにした誘拐事件。

子供達の末路(まつろ)は闇オークションに売られ、産まれてきた事を後悔させるようなソレに取り込まれてしまう。

番外編 【武勇伝の塊でして…】続き→←番外編 【武勇伝の塊でして…】



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設定タグ:桜蘭高校ホスト部 , 名探偵コナン , 安室透/降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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四條暁(プロフ) - 心結さん» 応援して頂きありがとうございます!これからも頑張ります(*`・ω・)ゞ (2021年5月15日 16時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - お疲れ様です!今回も夢主と澪さんの会話などいろいろ楽し見ながら読んでます!これからも応援してるので頑張ってくださいね(*^^*) (2021年5月15日 15時) (レス) id: 59ce652171 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:四條暁 | 作成日時:2021年5月11日 17時

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