疑問符 ページ8
橋を渡り川岸へ降りる階段へ向かい、服部君は【源氏蛍】の事件を追ってる事を話してくれた。
どうやら顔馴染みの人が【源氏蛍】のメンバーであり、今回の被害者らしい。
それから情報交換の末、服部君が京都の道案内を買って出てくれた。
『あ、ちょっと待ってて。』
バイクで移動するらしく、私は鞄から袴を取り出して手早く穿いた。
服「ちょ、お前人前で何しとんねん!」
『着物でバイクに跨がれるワケないじゃん。』
私の主張に服部君は呆れ、江戸川は苦笑する。
近くに停めてる服部君のバイクへ向かい、私は羽織で江戸川を隠す。
コ「え、な、なに!?」
『3ケツはヤバいから、江戸川は私に隠れてろ。』
顔を赤くする江戸川を抱えて服部君のバイクに跨がる。
そして服部君の腹部に腕を回した。
『…零さんより薄い。』
服「ちょ、どこ触っとんねん!」
いつもの癖でムギュムギュ密着すると服部君が慌てた様に声を荒くした。
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服部君が案内したのは五条橋を渡りきった、住宅街の真ん中に建てられた神社の前。
服「ここが五条天神や。」
神社の鳥居を潜り抜けて境内へ入ると何処か厳かな雰囲気が窺える。
服部君の説明を聞きながら江戸川がコピーした例の絵を見て周囲を見渡す。
住宅街の真ん中と言う事もあってか、目ぼしいヒントがあるとは思えない。
私はウロウロと辺りを見て回る。
服「どや、何か共通するモンは無いか?」
コ「…いや。無さそうだな。」
服「ほな次行くで!」
服部君が元気良くそう言い踵を返し、そして唐突に歩を止めた。
服「けど、気にならんか?何で三能寺の坊さん、オレに依頼して
どうやらソコが気に入らないらしく、服部君は不貞腐れた様に顔をしかめた。
『それは警察に知られたくなかったからだろ?確か、服部君のお父さんって警察のお偉いさん?だから余計に。』
服「ふ〜…ん。まぁ、
私のフォローに一応は不満を抑えた服部君。
しかし、改めて服部君が言ったその疑問は私や江戸川に深く渦巻いていた。
言われてみれば確かにソッチの方が効率が良い。
大阪に住む服部君に依頼せず、何故、山能寺のお坊さんは毛利さんに依頼したんだろう。
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時