一時の逢瀬(最初ちょっとNOside) ページ49
〜NOside〜
毛利一行が山能寺を出てすぐの事、薬師如来像は服部と江戸川、そしてAの手によって元に戻された。
その様子に竜円は驚きに呆然とし、円海は被せられた野球帽を被る。
円海「あの三人、
竜円「はあ…?毛利さんと服部少年は解りますが、鈴鹿御前とは誰の事ですか?」
円海「まだまだ修行が足らんなぁ。」
穏やかな陽射しを久し振りに浴び、薬師如来像は輝いて見える。
本堂の階段を降り、円海はふと足元に咲いたタンポポに微笑んだ。
円海「御神楽A…。アンタの人生に
その祈りは風に吹かれ、やがてAへと届くだろう。
円海は不器用ながらに戦い続ける少女を思い浮かべ、そう呟いたのだった。
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
〜Aside〜
「「「「あンのクソ坊主!!!」」」」
そんな声が響く京都駅のホーム。
毛利さん、綾小路さん、白鳥さんが怒りでメラメラ燃えてるのを千賀鈴さんが楽しげに笑ってる。
その隣では
『…なにこれカオス。』
流れ的に私も同じ新幹線で帰る事になったけど、何か一駅遅らせようかななんて考えてる。
お茶を呑んでると江戸川がおもむろにコーラをシャカシャカ振り、封を開けた。
当然ながら勢い良く炭酸が吹き出し江戸川の顔面を濡らす。
コ「うわぁっ!?」
蘭「ちょっとコナン君!何してるの!」
蘭が上着のポケットからハンカチを取り出して江戸川の顔を拭こうとした瞬間、蘭の瞳が丸くなった。
蘭「……新一。」
その表情は愛おしげで、見ていた私も嬉しくなった。
コ「そう言えば、ボク新一兄ちゃんに電話したんだ。和葉姉ちゃんを助けてって。ね、平次兄ちゃん、Aさん。」
……フォロー全投げするなよ。
ま、しかたない。
『そうそう「工藤新一、探偵さ!」なぁんてカッコつけて登場して、私めっちゃ驚いたもん。』
一瞬、快斗かルパンさんかな?って疑ったくらい。
服「そ、そやけどアイツめっちゃしんどそうでな!途中で帰したんや。」
『で、私が参戦した。』
私達の話に蘭は顔を綻ばせ、ハンカチを大事そうに抱き締めた。
……やっぱり、蘭や遠山さんは桜みたいだな。
柄にもなく、そう思った。
〜迷宮の十字路編 終了〜
51人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時