役者は揃った〜NOside〜 ページ46
服「まぁ
刀を構え直した服部がソッと工藤に耳打ちする。
服「身体小さなるまでどっかで隠れとけ。戻ったら帰って来い!」
服部の言葉に工藤は小さく頷き、素早く中門へ走り出す。
ソレを弟子が追い掛けようと駆け、服部が刀を向けて立ちはだかった。
服「待たんかい!お前らの相手はオレじゃ!」
次々と攻撃を弾く服部の背に隠された和葉に、服部は怒鳴った。
服「和葉!工藤に
和「えっ!?蘭ちゃんにも!?何で!」
服「何でもや!」
服部が切なげに目を伏せて「どうせ会えへんのや、なら知らん方が…。」と和葉に聞こえない声で呟く。
自分達とは違い、誰よりも側に居るはずなのに簡単には会えない工藤と蘭を思って、服部は刀を握り締める。
和「っ平次!」
和葉の声にハッと我に返った瞬間、般若の一人が身を低くして突進してきた。
防ぎきれない、そう直感した服部が和葉を庇った刹那。
ーー不快な
そして、目の前の光景に二人は目を丸くした。
般若の一人が自分達を助けるように仲間の白刃を蹴りでへし折ったからだ。
赤い光を浴びて刀の破片が星の瞬きに似た輝きを放って
その破片は服部達に襲い掛かる前に般若に振り払われ、目の当たりにした光景に西条が弟子に怒りの表情を向ける。
西「お前ッ!裏切るつもりか!?」
『…“裏切る”?いやいや。』
シュルリと小さな音を立てて般若の面が外される。
『アタシは最初っからアンタの仲間になったつもりないけど?』
燃え盛る炎より赤々と深い色と
そして、清流な風に流れる漆黒の髪。
挑発的に歪んだ紅が引かれた唇。
服「な、何でお前が!」
『よ。服部君と遠山さん。』
刀を肩で担いだAの姿に服部は驚く。
和「御神楽さん!なんでこんな所に…!」
『それがさぁ〜、服部君達と離れた後に鞍馬山にも玉龍寺があるって知って慌てて来たら般若の面つけた集団を見かけて。』
ーーそれは夕暮れの時、山中にて。
弟子の一人が運悪くAと遭遇してしまい、見事に身ぐるみを剥いだ末潜入した。
しかし、同予期せぬタイミングで服部の登場にAは出鼻を挫かれた末路である。
『
鬼なる闘志〜ヒロインside〜→←名探偵は笑う〜NOside〜
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時