検索窓
今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:35,468 hit

紐解かれる真相〜NOside〜 ページ42

〜NOside〜


陽が沈み、薄暗い山中に建てられた鞍馬山の玉龍寺にて。

広々とした境内には拘束された和葉と翁の面を被った男、そして般若の面を被った人物が数人。

石畳の端には篝火(かがりび)が灯され、
月明かりと共に境内を妖しく照らしている。


??「…遅いな。」


翁の面を被った男が呟くと和葉はキッと強気に睨み付ける。


和「罠やって分かっててそう簡単に来るワケないやん!!」

??「そうか?臆病風に吹かれたかもしれへんで?」


嘲りを含んだ男の声に和葉は頑として強い意思を宿して睨む。

その時、中門の外から階段を上ってくる人影の姿が。


和「っ平次!!」


それは野球帽を目深く被った服部であり、彼の手には木刀が握られている。

赤々と燃やされた篝火を横切り、服部は和葉達の手前で立ち止まって木刀を地面へ突き刺す。


服「テメェ!和葉に手ぇ出してねぇやろな!」


そう怒鳴る服部に和葉は一瞬違和感を覚えた。

しかしその違和感を無視し「だ、大丈夫やで!平次!」とだけ何とか返す。

服部は上着のポケットから巾着を取り出し、その中身の水晶玉を男に見せる。


服「アンタが欲しかったんは、水晶玉(これ)やろ?」


男が品定めするように身を乗り出し、服部はすぐに水晶玉を巾着にしまうと再びポケットへ収めた。


服「この水晶玉を取り戻す為にアンタは昨日この山で襲うたんや。失敗したみたいやけどな。」


挑発を込めて服部が不敵に笑う。


服「次にアンタは宝を独り占めする為に、先斗町のお茶屋で桜さんを殺しに掛かった。何故、祇園や宮川町やのうて先斗町を選んだか。それはあそこのお茶屋だけ裏に川が流れてるからや。」


服部の紡がれる言葉に和葉は「川…?」と呟く。


服「おそらく、首領がこのお茶屋によう通っとったとでも()うて桜さんに納戸を調べるよう仕向けたんやろ。アンタは納戸を仏像を探してた桜さんを殺した後、警備会社が迷子や盗難防止に使う端末と凶器を一緒にペットボトルに入れて地下のガラス戸からみそぎ川に捨てた。そしてその後に携帯電話で警備会社のホームページにアクセスして端末の位置を調べて回収したんや。」




ーーそう、あの時園子が聞いた水音はまさに凶器が入れられたペットボトルが川に落ちる音だったのだ。



服「その後でアンタは大阪へ戻るオレを待ち伏せして同じ短刀で殺そうとした。」

熱狂の憧れ〜NOside〜→←その女は読めない〜NOside〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.3/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透/降谷零 , 劇場版   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。