◇違和感に過ぎなく◇ ページ5
その後、零さんの車で無事に江戸川を送り届けるとそのまま家に帰宅した。
零「…京都に?」
【うん。ソウルデヴァイスの修理とか整備やってるの、京都にしか無いんだよね〜…。】
零「北都さんには頼めないのか?」
【ゾディアック本部に頼もうにも2〜3日は掛かるから、本店に向かった方が早い。】
筆談で答える度に零さんの顔は不安そうに歪んでいく。
しまいには唸り始め、ソッと眉間を抑えた。
零「なら僕も一緒に……。」
【零さん、組織の用事の為にで2〜3日分の仕事終わらせたってさっき言ってたよね?】
零「
当たり前だとばかりに即答され、思わず緩んでしまう口をスマホで隠す。
零「照れた顔も可愛い。」
蕩けた表情で褒め、零さんはチュッと額にキスをした。
【取り敢えず、京都には私一人で行くからね?】
念押しを込めて零さんに見せると、また数秒唸ってようやく渋々頷いた。
零「…無茶だけはするなよ?」
心配そうに眉を寄せる零さんに私は頷く。
ーー零さんの事を気遣ったのも本当だけど、私はとある違和感を覚えていた。
まさか、ソレが原因で零さんと衝突するとは……この時の私は考えもしなかった。
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その翌週、私は零さんとハロに見送られて京都へ旅立った。
京都駅に到着すると既にゾディアック経由の迎えの車が待っていて、エスコートされるまま“ゾディアック京都支部”へ向かった。
モブ「単刀直入に申し上げます。ソウルデヴァイスが顕現してる際には、
イヤリングの予備を渡され、深刻そうな顔でそう研究員に言い渡された。
『…それはまた唐突ですね。』
モブ「検査の結果、御神楽さんの精神部分はかなりダメージを受けています。これ以上同時に使われたら、貴女は……。」
言いづらそうに研究員は言葉を濁す。
その反応を見て察し、私は努めて笑顔を見せる。
『…死にませんよ、私は。』
モブ「えぇ、現在までの数値を計算すれば突然亡くなる事は有り得ません。」
『つまり、これ以上酷使すれば死に至る…と?』
ジットリと掌に嫌な汗が吹き出し、私は研究員を見つめる。
モブ「…その確率も否定出来ません。」
やはり言葉を濁す研究員、思わず溜め息が出てしまう。
あぁ失敗だったな、と真っ青な空を眺めて思う。
……無性に零さんに逢いたい。
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時