【東亰ザナドゥ&名探偵コナン迷宮の十字路】その婚約者、また事件に巻き込まれるご様子！ (ページ36)

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犯人はだあれ？ページ36

仕方なく、私と江戸川、そして志保と博士もその後に続いた。

博士「こっちでも事件があったようじゃな。」

コ「まぁな。」

二人の慣れたやり取りに私は思わず苦笑いした。

…その時、博士のお腹が「ぐぅ～」と鳴る。

博士「またじゃ、哀君。例の薬を。」

志保がバックからピルケースを取り出し、その内の一粒を博士に手渡した。

『それ何の薬？』

哀「お腹が鳴るのを抑える薬。冠婚葬祭用に博士が開発したの。」

志保が簡単に説明してくれた後、博士が自慢そうに他にも種類がある事を教えてくれた。

アルコールが苦手な人用にすぐ顔が赤くなる薬。

会社を休みたい人用に風邪と似た症状を起こす薬……等々。

『才能の無駄遣い……っ。』

唐突に頭がズキッと痛み、思わず顔の半分を手で覆う。

キツく閉じた瞼の裏でチラチラと何かが見える。

……夕焼け？…いや、これは…。

『……炎？』

そう、何かが炎に被われて燃えている。

何故かソレが引っ掛かり、もっと深く探ろうと意識の手を伸ばす。

コ「Aさん！」

『ッ！！』

後少しで手が届きそうになった瞬間、江戸川の声に頭が真っ白になった。

驚いた弾みで視えていた映像が途切れてしまった。

コ「Aさん！大丈夫！？」

『…そんな騒がなくても聞こえてるって。』

悟れないようにいつもみたいに迷惑そうに眉をひそめ、憎まれ口を叩く。

私の憎まれ口に江戸川は心底安心したとばかりに表情を緩める。

博士「何じゃ、A君。体調が悪いなら休まんと。」

哀「顔色も悪いし、何処かで休む？」

二人が心配するくらい、今の私は顔色が悪いんだろう。

いつの間にか何故かこちらが折れる形で話は進み、私は一足先に山能寺へ向かう事になった。

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江戸川達が三能寺へ帰って来たのはそれから数時間後。

なにやらスッキリした表情から察するに、あらかた犯人の目星がついたんだろう。

『お帰り～。』

本堂の所で出迎えると二人は早速報告しに来た。

『…成る程ねぇ。』

人気の無い境内の隅で二人の推理を聞き、それまで自分で組み立ててたソレが補強される。

『やっぱり“あの時”の言動がおかしいんだよね。』

服「“やっぱり”って、お前は目星もう付いとったんか？」

『これでも学生時代は助っ人してたからな。』

それこそ義弟(コウ)と似たり寄ったりで、私はよく部活の数埋めに駆り出されてた。

…まさか、ここで役立つとはね。