迷子の迷子の元太 ページ35
服「あぁ分かってるって。ほな、ありがとな大滝はん。」
途中から面倒になったらしい服部君が雑に通話を終らせ「朗報やで。」とニヤリと笑った。
そんな彼を追い掛け、私と江戸川は御池通りを横切った小川通りへ歩いた。
服「これで、オレを襲うた翁の面が桜さん殺しの犯人やっちゅうのが分かったで。」
コ「…となると凶器を処分出来なかったあの四人は、犯人じゃねえって事になるな。」
何度目か曲がり道を抜けるといつの間にか山能寺の裏門に到着すると、服部君が不意に足を止める。
その視線の先には、大きな
『…健気だねぇ。』
どんなに風に呑まれても可憐に舞う桜を見つめ、思わず皮肉の言葉が飛び出す。
その姿は、好きな相手の一挙一動でコロコロ表情を変える少女にも見える。
……そう言えば、何となく蘭や遠山さんに似てる。
真っ直ぐひた向きに
服部君がふと本堂の格子窓を見つけて微笑む。
私が尋ねようとした時、何処からかパタパタと小さな足音が聞こえた。
??「Aお姉さんにコナン君!何してるの〜?」
振り返ると道の向こうから少年探偵団がこちらに駆け寄ってきた。
後ろにはお馴染みの志保と博士まで…。
『ちょ、アンタら何で…!?』
歩「クイズに答えたご褒美に博士に連れてきてもらったの!」
…相変わらずの行動力だな。
思わず文句の視線を博士に浴びせた。
が、当の博士は思いがけない出費で肩を落としてる為に私の視線には気が付かなかった。
光「ところが元太君が迷子になっちゃって…。」
子供たちの話を簡単に纏めると…。
現地で迷子になった元太をバッチを使って通信し探してる最中に私達と出くわしたらしい。
ついでに江戸川のメガネで探してもらおうと話が進んだ。
江戸川のメガネに簡易的なマップが表示され、服部君が横からヒョイっと抜き取って顔を覗き込んだ。
服「こらおもろいな。あ、あっちや。」
勝手に仕切り始めた服部君は歩美ちゃんと光彦を連れ、マップ内に印が表示されてそこへ歩き出す。
『ちゃんと前向いて歩けよ…。』
コ「ったく。」
結局、推理は一旦止まって元太探しに参加せざるを得なかった。
思わず溜め息を溢す。
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時