【東亰ザナドゥ&名探偵コナン迷宮の十字路】その婚約者、また事件に巻き込まれるご様子！ (ページ34)

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再会出来た初恋の人？ページ34

服「ちゅう事は、アンタや御神楽さんは京都出身なん？」

『私は母さんの影響だから。』

千賀「うちはそうどす。」

服部君は神妙な表情で頷き、ほんの少しの期待の色を宿して千賀鈴さんを見た。

服「歳は？」

千賀「19どす。」

え？私より年下？？？？？マジ？？？？？

年下なのにそんな色気あんの？？？？

謎の敗北感に打ちひしがれ、私は思わず近くの電柱に寄りかかった。

それは江戸川や服部君も似たモノらしく、お互いの顔を見合わせて驚いた様子を見せる。

『…どうやったら色気出せます？』

真面目に聞いた私に千賀鈴さんは艶やかに微笑み「御神楽はんもお綺麗どすよ？」とリップサービスをくれた。

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それからしばらく千賀鈴さんに案内される形で後に続き、やがて片側四車線の広い通りへ出た。

千賀「ここが御池通りどす。ほな、うちはこれで。」

お辞儀をして千賀鈴さんは左へ曲がる。

コ「『さよなら。』」

手を振って千賀鈴さんを江戸川と見送った後、背後で服部君が「……ようやくや。」と呟いたのが聞こえた。

『ちょ、アンタ千賀鈴さんが初恋の人って思ってんの？』

服「間違いないやろ！京都出身で、歳もオレより２つ年上やし！」

既に思い込んでしまった服部君は興奮ぎみにそう私に詰め寄った。

コ「けどよ、京都の子は皆あの唄を歌えるぜ？」

『それ！条件次第では私も入るし。』

唄を知ってて歳上なんて、そこら辺に山のように居るモンだ。

しかし、服部君には私達の言葉は届かず嬉しそうに口角を上げる。

服「やっとや、やっと会えたんや！」

『人の話を聞けバカ！』

完全に色ボケした服部君が喜びを噛み締める中、彼の携帯が軽快な着信を鳴らす。

服部君が携帯を耳に押し当てた途端、病室で会った大阪府警の刑事さんの怒鳴り声が微かに聞こえた。

苦笑しながら服部君が話してる最中、江戸川が私の袴の裾を摘まんだ。

コ「ねぇ、Aさん。」

『ん？』

取り敢えず屈んでやると奴は私の耳元に顔を近付ける。

コ「“今度”は誰を助けたの？」

確信すら抱いてるとばかりに自信満々な江戸川に私は諦めと呆れの溜め息を吐いた。

『ーーアンタの相棒を……ね。』

江戸川が「やっぱりな。」と呟いて不敵に笑い、不服に思った私は奴のきめ細やかな頬を思いっきりつねってやった。