迷探偵の謎解き? ページ27
蘭「園子がね、みそぎ川に何かが落ちた音を聞いたって。」
服「ホンマか!?」
園子は深く頷き「間違いないわ!」と頼もしく断言する。
園「…でもね警察が川を捜索しても何も出てこなかったのよ、不思議なんだなぁ〜これが。」
服「それやったら共犯者やっ!外に共犯者がおって、川から凶器を流したんや!」
閃いたとばかりに服部君が興奮気味にそう推理するが、ソレはあっさり江戸川に「それはないと思うよ。」と切り捨てられる。
服「何でや!?くど……。」
『あ〜手が滑った。』
いつもの調子で江戸川を「工藤!」と呼び掛けた服部君の後頭部を思い切り
服「っで!」
『ごっめ〜ん、大丈夫〜?』
白々しいかもしれないが、流石に今は“つい、うっかり”は控えてもらいたい。
…あまりにも、蘭が可哀想じゃないか。
つい数分前の不安げな蘭の表情が脳裏を過った。
江戸川は驚きながらも視線で「サンキュー」と伝え、私は肩を竦めてとぼけてやる。
服「…何でや?こ、コナン君?」
痛む後頭部を擦り、服部君は言い直す。
コ「今夜は満月で明るかったよ?あのベランダ、床に隙間があるから下が見えるようになってる。」
『それに、仮に共犯者が居るんなら蘭達や私が気が付かないはずないじゃん?』
いくら話に夢中になってたとしても、この私が第三者の気配を見逃すはずない。
多少なりとも、異界で培ったスキルは影響されるし。
私と江戸川の説明に服部君は「そ、そうか…。」と素直に納得する。
そしたら今度は、それまで黙ってた毛利さんが
「真相はこうだッ!」と膝を叩いて自信満々に笑う。
毛「犯人は外部犯で蘭達がベランダへ出る前に地下の窓から侵入し、浴室かどっかに潜んで待ち伏せて桜さんが納戸を物色中に殺害した!そして、凶器を持ったまま窓から逃走したんだ!」
『あの、でも私達はそんな人物は見てませんよ?堤防には目撃者も居なかったのでは?』
毛「偶然っすよ!偶然!犯人はついてたんスよ!」
私の疑問も何のその、毛利さんは「偶然」の一点張りで突っぱねる。
……当然ながら、私と江戸川と服部君は釈然と出来ないままだった。
かと言って反論出来るほど証拠は無く、仕方なく私達はそれ以上の追及は止めておいた。
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時