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見えない殺意の糸 ページ24

少ししてから毎度のお約束通り、江戸川と服部君は事件現場から追い出された。


毛「遺体に触るんじゃねぇ!何度言ったら分かるんだ!」


廊下に投げ捨てられる寸前の江戸川を抱き留め、私は冷静に努める。


『大丈夫か?』

服「そらお前や。そんな顔真っ青にして大丈夫か?」

『あぁ。少し動揺しただけだから気にすんな。』


江戸川を下ろしてやってる最中、奥から玄関の引き戸がガラガラ開く音が聞こえた。

階段を上ってソッと玄関を覗くと、そこには綾小路さんと警官二人が立っていた。

二階から降りてきた女将さんに綾小路さんが警察手帳を見せる。


綾「京都府警の綾小路です。」

女「ご、ご苦労様どす…。ど、どうぞ。」


女将さんが殺人現場まで綾小路さんを案内し、廊下の手前に居た私達と必然的に鉢合わせた。


服「こら京都府警の刑事さん。えらい(はよ)うお着きでんなぁ。」


嫌味を言う服部君を視線で咎めると、不意に綾小路さんが私をチラリと見る。


綾「…やせ我慢は毒やで。」


そう言うと彼はポンポン頭を撫でてくれる。

その手から労りが伝わり、私は少し目を伏せた。


コ「ねぇ、今日はシマリス居ないの?」


江戸川が無邪気に尋ねると綾小路さんは階段へ向かう足を止める。


綾「いつも連れてるワケやない。」


綾小路さんと警官が階段を降りたのを見届け、服部君が声を潜めて「どう思う?」と江戸川に問い掛ける。


服「外部犯やと思うか?」

コ「ゼロとは言えねぇが…。表の引き戸は開けると音がするから女将が気付くはずだ。…それより。」


江戸川は一旦そこで言葉を区切り、おもむろにベランダへ向かった。

蘭達は二階の座敷に居る為、数分前の賑やかさが嘘のように静まり返っている。


コ「犯人は桜さんが何らかの理由で納戸に居た事を知ってた者。ーーつまり。」

服「桜さんの知り合いの竜円さん、西条さん、水尾さんの三人の可能性が高いっちゅうワケやな。」


江戸川はベランダから出て周囲を見渡し、ふと足元に膝をつく。

釣られて見下ろすと、ベランダの床板の隙間からはみそぎ川の一部と茶店側の土手が見えた。


コ「…三人とも桜さんや蘭が出ていった後、一度ずつトイレに立ってる。」

服「しかも、近くには地下への階段があるしなぁ。」


そう呟きながら二人は廊下に出る。


その推理を見守ってると、不意に酷い頭痛がして思わず壁に凭れ掛かった。

誤魔化しと暴かれた内情→←事件発生



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設定タグ:名探偵コナン , 安室透/降谷零 , 劇場版   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年10月8日 23時

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