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【arcn】お友達はもう充分。 ページ7

◇学パロ。同い年。ymさん友情出演。

__________

Ar.



高校の近くに新しくタピオカドリンクの専門店ができたと聞いて、同級生の知念を連れて放課後足を運んでみた。1時間弱並んだ結果、俺らは無事に可愛らしいカップに入ったタピオカミルクティを手に入れることが出来た。


「大貴まだ?僕もう飲んじゃうよ?」

「ごめん、もうちょっとだけ!」

俺がSNSにアップするための写真を撮っていると、待ちくたびれた様子の知念が退屈そうな声を上げる。


所謂“映える”ものに目のない俺とは対照的に、知念はそういったものに大して興味を示さない。だから何故毎度俺に付き添ってくれるのか不思議に思って何時ぞやに聞いてみたら、『大貴がどうしても〜みたいな顔してるから。あと無駄に写真拘ってるのも面白いし』とぶっきらぼうに返された。

女子同士或いはカップルしかいない中に男子高校生2人で乗り込むのにはそこそこの勇気も要る筈なのに、そんな理由で来てくれるものかと俺の不思議はいっそう強まるばかりだった。


「ん、これおいひぃよ」

「あーっ、お前先飲んだの」

漸く満足のいく写真が撮れたと思って席に戻ったら、とうとう待ち切れなくなったらしい知念が既にタピオカを味わい始めていた。未飲の2つのカップを並べて写真を撮りたいという願望はあえなく朽ちてしまった。


「だって大貴があんまり時間かけて写真撮ってるから僕喉乾いちゃったんだもん」

拗ねたように唇を尖らせてはまたストローを口に咥える。それが何だか妙に絵になっていて、俺は思わずスマホを向けてシャッターを押していた。


「ねえ今撮ったでしょ」

じっとり疑る目を此方に向ける知念に「どうせ24時間で消えるから」と答えながら顔は見えない程度に写真を編集してSNSにアップする。すると学校終わりで暇していたらしい複数の友人達から彼女の存在を疑うメッセージがぽんぽん送られてきた。

うちの高校は私服高であることに加え、今日の知念はオーバーサイズの淡い桃色のパーカーを着ているから、女の子に見えても不思議ではない。


「ほら見ろよ、彼女?だって」

「うわ最悪。僕大貴の彼女になんかなったつもりないんだけど」

嬉しくなった俺がスマホの画面を見せると、知念は冷たい言葉とは裏腹に小さく笑った。



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作者名:不定期更新 | 作成日時:2019年3月15日 8時

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