My Girl

ほろ苦ビターチョコレート ページ7

大貴｢転勤？！｣







涼介｢そうなんだよ｣







高校2年の夏
部活の後山田から聞かされたのは父親の急な転勤の話








大貴｢それAには？言ったの？｣







涼介｢んー？まだ言ってないん...だよね｣








シューズの靴紐を緩めながらグランドに座り込む山田








大貴｢まだって...お前それいつ言うんだよ｣







涼介｢転勤が来月だから転校はその前になるかもしれないし、早めにとは思ってるけど｣







ただ言い辛いんだよなって山田は切なそうにそっと俯いた








涼介｢それにまだ あいつ...Aには言えてないこともあるし。言っていいのかわかんないけどさ｣








小学校からずっとそばにいた俺だから山田の思いにはもう気付いていた







涼介｢でもあいつには幸せんなってもらいたいんだよ、今度は俺が守ってやる番だからさ｣







だから余計に困らせたくない。そう言って汗ふきシートで体を拭く







涼介｢言わない方が相手にとっては良いこともあるしな。でも転勤のことは早く伝えるよ｣









山田がスマホの電源をつけると待受画面に表示されたのはAの横顔
教室で撮ったときの写真をAに邪魔されながら必死にホーム画面に設定してて









ふてくされるAをみて穏やかに笑顔をうかべる山田はすごく切なくて、そして綺麗だった








私｢転勤...？｣






涼介｢ああ、父さんがな。だから俺今月で転校になる｣







私｢大貴は知ってたの...？｣







眉間にうっすらシワを浮かべ、こちらを伺うA








大貴｢...っと｣









私｢なんで、｣







私｢なんでもっと早く言ってくれなかったの？！｣








山田がこの報告をしたときもうすでに、山田の転校までは1週間








大きな瞳にたくさんの涙を浮かべながら訴える彼女もまた、不謹慎だけど切なくて綺麗だった

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