噛み付くようなキスをして３ seven (ページ15)

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104.結界からの声ページ15

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｢涼介なのっ、ど、どこ？｣

涼介『静かに、伊野尾ちゃんにバレる。俺らはまだ地下だ。』

｢ど、どういうこと？ねぇふたりとも無事なのっ？｣

この声はテレパシーかなんかなのだろうか。よくよく聞くと、音は耳じゃなくて頭の中で響いてる。

涼介『安心して、俺も裕翔も無事だ。今、奴の結界内に別の小さな結界を作って、その中でシマエナガ宛に念を送ってるんだ。』

結界の中に結界？念？シマエナガがスピーカーってこと？

音の伝導システムはよく分からないけど、とりあえず無事でいるようでほっと安堵。

涼介『Aは平気？何もされてない？』

久しぶりの涼介の声。甘くて優しくて、泣きそうになる。

｢わたしは大丈夫だけど…。だからってこんなのずっと、耐えられない。涼介達だって苦しいでしょ。｣

ぐずっ、我慢していた涙がじわじわと滲んでくる。どうしたらいいの。

涼介『ごめんな、なんとかするから、もう少し堪えてくれよ。』

具体的な策があるわけじゃないんだけどさ、と溜息を吐く涼介。嘆いた声色からは疲労が感じられた。

｢ねぇ、過去に何があったの？伊野尾さんはバンバイア族のこと、凄く恨んでるみたいだった。｣

涼介『………。』

わたしの問いに暫くの無言が落ちる。

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